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大成建設 粒状体を内挿した乾式二重床を開発
2015.12.14 14:45
大成建設(東京都新宿区)は、乾式二重床とコンクリート床スラブとの間に無機質の粒状体を設置することで、床衝撃音や固定伝搬音を大幅に低減できる乾式二重床「T―Silent GranFloor」を開発した。
コンクリートは一般的に高い遮音性能を有した材料であるが床衝撃音や設備機器の振動、地下鉄走行等により発生する個体伝搬音による騒音問題を発生させることがある。これらの音を低減させるためには、これまでコンクリート床スラブの厚みを大きくする必要があった。また、集合住宅で多用されている乾式二重床の場合、仕上げ材による騒音の対策では部材が熱くなり、室内の天井高さを狭める問題があった。それらを解決するために大成建設は、乾式二重床とコンクリート床スラブとの間に、袋に入った粒状体を内挿することでコンクリートに伝わる振動を抑制し、床衝撃音や個体伝搬音を大幅に低減する乾式二重床「T―Silent GranFloor」を開発。これまでに実際の集合住宅などで実証実験を行い、その効果を検証している。
同製品の特長としては騒音の大幅な低減と、床スラブの軽量化を実現。粒状体の入った袋の設置により、5デシベル~10デシベルの騒音低減が可能。コンクリート床スラブを厚くして対策する場合、例えば230mmを330mmまで厚くしても騒音低減は6デシベル程度であるため、それと比べても大きな低減効果が得られ、床スラブの軽量化が図れる。
また、粒状体と粒状体を包む特殊な袋材が振動を抑制するTMD(チューンド・マス・ダンパー)として機能するため、低減したい振動に対応したチューニングが可能。床衝撃音や様々な振動源から発生する固定する伝搬音を効率的に低減することができる。他にも簡単に施工が可能な点などがあげられる。
今回の粒状体を内挿した乾式二重床の開発を機に、大成建設ではこれまでに開発した床衝撃音や個体伝搬音などの騒音低減技術を「T―Silent」としてシリーズ化した。床仕上げ材による低減(T―Silent Floor)、コンクリート床+粒状体による低減(T―Silent Slab)、天井+粒状体による低減(T―Silent Ceiling)、そして床仕上げ材+粒状体による低減(T―Silent GranFloor)とラインアップは4種類。建物の条件に合わせた最適な技術を選択、または組み合わせて騒音の対策を行う。今後、集合住宅や地下鉄軌道近接建物等にこれらの技術の適用を図り、床衝撃音や個体伝搬音などの騒音の対策に効果的な工法として積極的に展開していく予定。