不動産トピックス

クローズアップ 清掃用品編

2015.10.19 12:15

 ビルの窓ガラスは機能性が求められることはもちろんのこと、イメージの観点から意匠性も求められる。ビルのバリューアップを考えていくためには最前線の知識は欠かせない。今回はその双方に注力している企業について紹介していく。

サンヨーアルミ 結露・断熱・防音対策は窓工事専門のプロにお任せ
 窓ガラス・サッシの専門会社「サンヨーアルミ」窓工房(東京都青梅市)は、創業35年の窓工事の専門会社である。窓ガラスの結露・断熱・防音対策に優れた同社は、これから冬を迎える時期とあって、結露・断熱対策の依頼が増えているそうだ。 窓工事による結露・断熱対策として、同社が運営する専門店「窓工房」(埼玉県入間市)店長の海野昌人氏は「窓ガラスの交換、内窓の設置、窓のカバー工法の3種類で対応します」と語る。
 窓ガラスだけの交換は、手軽で最も人気のある工法だ。しかし窓ガラスのアルミ枠は変わらないので、アルミ枠に発生する結露を抑える事は出来ない。またアルミ枠の断熱も出来ないため、窓ガラスのみの結露・断熱対策となる。内窓設置の場合は、結露・断熱・防音対策に適している方法である。しかしマンションなどの狭い室内であると圧迫感が出てしまい、また窓が2層あるため2回開ける手間が増えてしまう。窓のカバー工法は既存の窓枠に新規の窓枠をはめる方法である。近年、マンション・ビルの大規模修繕で見られるタイプである。一番手間暇がかかる施工方法だが、窓枠から全て改善されるので、とても喜ばれる工法である。
 築年数が30年以上経過している建物の窓枠は、経年劣化により気密漏れが出来ている場合が多い。ガラス交換だけでは気密漏れは防げない。その場合は内窓を設置するか、カバー工法を行うかの2つに絞られる。同社はオーナーが依頼前に不安に感じる「所有する物件がどれほど傷んでいるのか。どの工事が適しているのか」について、柔軟・迅速に対応できる。その対応が好評で、埼玉県だけでなく東京都・神奈川県からも依頼が来ており、「窓のプロ」として広い範囲にわたって認知されている。
 海野氏は「当社は35年の豊富な施工実績を持っています。工事の依頼内容をヒアリングし、一番適した工事内容にその場で変える・いったんリセットすることも可能です」と語る。

リンテック ガラスの破損を防ぐ
 大型台風や地震により窓ガラスが割れた場合、その破片の飛散や落下などによる二次災害が危惧される。リンテック(東京都板橋区)は地震などによる、ガラス破損時の飛散・落下防止につながる製品として「ウインドーフィルム」を販売している。
 同製品は窓ガラスに貼る透明なフィルムで、ひずみ・衝撃・爆発などの様々な実験を通じて、飛散防止に大きく効果があった。衝撃による飛散防止実験では、45kgのショットバックを落下高30cmで振り子状に落下させる内容で、人・物が窓ガラスに当たり、割れてしまった場合を想定しての実験である。同製品を使用した窓ガラスは衝撃部が抜け落ちることは無かったが、反対にフィルムなしのガラスは衝撃部を中心に、大型の鋭利な破片が飛散する状態となった。
 同社は昭和53年の宮城県沖地震を機に、ウインドーフィルムのガラス飛散防止性能の確立に力を注いできた。その甲斐あってか、防災対策の一環として窓ガラスの飛散防止対策の重要性が、近年徐々に注目されている。

YKK AP 業界初の既存ビル向けの窓「SYSTEMA31Br」
 ビル竣工当時は快適であった窓まわり。しかし現在は経年劣化により見た目ばかりでなく機能まで低下し、窓まわりに「不便」、「不快」を感じる人もいるであろう。その様なオフィスビルの窓の老朽化を改善できる商品がYKK AP(東京都千代田区)から先月の30日に発売された非居住ビル専用窓改修カバー工法商品「SYSTEMA31Br」である。
 同製品は同社が手掛けるSYSTENMAシリーズの窓改修・リフォーム専用の商品である。SYSTENMAシリーズは主に新築オフィスビル向けの製品をラインアップしていた。近年スクラップアンドビルドのビルを造っては壊す建替えスタイルから、既存ビルの改修・リフォームへと変化しつつあり、施工費用の削減・オフィスの省エネ対策の推進も叫ばれている。既存ビルの改修工事は今後さらに活性化すると思われ、窓改修も建物機能の維持や断熱性などの性能向上において重要な役割を担っている。しかし今までの既存ビルの窓改修・リフォーム専用の商品はなく、同社はその市場ニーズに応えるこの新たなカバー工法商品で今後のビル窓改修市場の伸長を目指している。
 同製品は従来のSYSTENMAシリーズの特長・良さを生かした製品だ。既設窓枠に新たらしい窓枠をかぶせるシンプルな新カバー工法で、従来の現場ごとに造作するカバー工法と比較し省施工を実現している。従来のカバー工法に見られた下地材を取り除き、スリムな専用の部材を用いる事で、眺望性の向上に繋がり、すっきりとした意匠性を実現した。ガラス面が大きくとれる製品なので開放感・透明感も実現した。
 また同製品は複層ガラス仕様で、単板ガラス仕様に比べて空調費の削減が行える。従来の単板ガラス仕様のビルでも、同製品の複層ガラス仕様に取り換えることで省エネ性の向上が可能。換気付非常用進入口としての使用もできるといった多くの特長を持つ。換気付の性能については、喚起できなかった従来の非常用進入口を有効活用した形だ。室内からは60cmしか開けられないよう安全に配慮しつつ、非常時は室外から90度の全開が可能。
 このカバー工法はYKK AP独自のもので、非住居向けで意匠性の高いカバー工法商品は業界初である。特許出願中の商品でもあり、今後も注目したい。




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