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東京楽天地 浅草再開発プロジェクト 「まるごとにっぽん」12月開業

2015.07.06 10:21

 東京楽天地(東京都墨田区)は先月25日に記者発表会を開き、浅草再開発プロジェクトとして現在浅草六区に建設中の商業施設「まるごとにっぽん」を今年12月中旬に開業することを発表した。同施設を運営するまるごとにっぽん(東京都墨田区)は東京楽天地の子会社。
 現在建設中の地上13階地下2階塔屋1階からなる「東京楽天地浅草ビル」内のうち、1階から4階が「まるごとにっぽん」となる。5階から13階はアールエヌティーホテルズ(東京都世田谷区)が「リッチモンドホテル プレミア浅草インターナショナル」を開業し、地下1階は正栄プロジェクト(札幌市中央区)がアミューズメント施設を開業する。
 「まるごとにっぽん」は浅草六区に賑わいを取り戻したいという思いと、都市部への人口流出や後継者不足で徐々に疲弊をしている地方都市を目の当たりにし、地方創生の足掛かりとなる施設を作りたいという思いから開業決定に至った。東京楽天地取締役社長の山田啓三氏は「地域の皆様と手を携えながら運営管理をし、浅草六区街に昔の隆盛を取り戻す」と意気込みを語った。
 毎年約2800万人の観光客で賑わい伝統文化が根付く浅草に、全国各地の魅力が詰まった地域情報の総合拠点を作り、地方自治体や地方事業者が出店できる仕組みを構築することで「真の地域振興の拠点」を目指す。出店する20の市町村・約50の地方事業者の大半は東京初出店となる。コンセプトは「新たな業態づくりへの挑戦 村おこし町おこしのメッカ」、「新たな施設づくりへの挑戦 風土巡礼」。まるごとにっぽん取締役社長の小笠原功氏は「既存のアンテナショップやみやげ屋のようなものと思われる方もいると思うが、地方自治体や生産者、事業者の流通支援に注力した取り組みを行っていく」と既にブランドが確立された著名な商品を扱う既存の商業施設との差別化を強調した。同施設は日本の「食」、「叡智」、「絆」、「風土」のコンセプトに分かれた4フロアで構成され、一巡すると日本を旅したように日本の暮らしを体感できる。テナントは既に8~9割は内定済みだが、具体的なテナント名の発表は11月頃になる。出店テナントは1年ごとに更新する予定だ。
 施設名「まるごとにっぽん」は日本の細部の知られざるモノ・コト・風土といった地域資源をまるごと体感することで、日本の魅力の発見をして欲しいという思いを込めて名付けられている。
 メーンターゲットには首都圏在住の40代女性を中心に据え、日本人、特に首都圏の人々に地方の良いものを知ってもらい、地方に興味を持ってもらうことを目指している。




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