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森記念財団 「日本の都市特性評価」の結果を公表 総合トップは京都市
2018.10.09 16:50
森記念財団都市戦略研究所(東京都港区)が、「日本の都市特性評価」をはじめて実施しその結果を公表した。全国の主要72都市と東京23区を対象に、さまざまな分野におけるデータを定量化し分析したもので、各都市の「特性」を明らかにした。
調査は統計資料やアンケート調査などをもとに、対象となる都市を相対的に分析したもので、「経済・ビジネス」、「研究・開発」、「文化・交流」、「生活・居住」、「環境」、「交通・アクセス」も6分野を設定し、それぞれの分野における主要な要素を表す指標グループを選定。グループごとにスコアを算出し、結果はレーダーチャートを用いて視覚的に表現した。
調査の結果、72都市のなかで総合トップとなったのは京都市。世界的観光地でもあり、「文化・交流」の圧倒的な高さが大きな原動力となった。文化財指定件数が多いという「観光ハード資源」の豊富さのみならず、イベントの数や名物料理などの「観光ソフト資源」でも強みを見せた。「文化・交流」と並んで高い評価を得たのが「研究・開発」で、トップレベルの大学数と論文投稿数は対象都市のなかで最も多かった。
2位につけた福岡市は、「経済・ビジネス」における「ビジネスの活力」の評価が他都市と比べ極めて高い。「文化・交流」や「交通・アクセス」なども評価が高く、バランスの取れた都市力を有しているとされている。
3位の大阪市は「経済・ビジネス」と「交通・アクセス」の評価が高い。なかでも「交通・アクセス」における都市外アクセスの評価は対象都市のなかで最も高く、大阪都市圏の中心地ならではの強さが光った。
23区では、千代田区、港区、中央区のいわゆる「都心3区」が順当にトップ3を獲得。賑わいと経済に溢れる千代田区、文化的魅力と高い経済力の港区、居住性と利便性を兼ね備えた中央区と、それぞれの特性を生かしながらも各分野のバランスが高い区の評価がそのまま順位に繋がっている。
都市戦略研究所では、日本全体が活力を保ち続けるためには都市の特性を生かした都市づくりが必要としたうえで、都市の特性を生かした今回の評価を地方創生に生かしてほしいとしている。