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<新技術>京セラ 店舗、ビル向けファストデマンドレスポンスの実証実験を開始

2015.05.04 13:17

電力小売全面自由化に向けた有効性評価検証
 京セラ(京都市伏見区)は、一般社団法人新エネルギー導入促進協議会が公募する「平成26年度次世代エネルギー技術実証事業費補助金(補正予算に係るもの)」において、このたび「ネガワット取引に係るエネルギーマネジメントシステム構築と実証」事業者として採択。これを受け、平成28年の電力小売全面自由化後や平成29年に予定されているネガワット市場創設に備え、自動デマンドレスポンス(以下、ADR)のシステム構築と有効性評価を行うべく、実証試験を開始すると先月24日に発表した。
 同社は、昨年10月より日本アイ・ビー・エム(東京都中央区)、東急コミュニティー(東京都世田谷区)とともに、電力逼迫時に発電事業者がアグリゲータに協力を求めて需要家が電力使用量を減らし、電力需給バランスを自動で調整する仕組みである「ADR」の実証試験を実施し、住宅・マンション向けデマンドレスポンス(以下、DR)要請の手順・流れ・制御の確認等を行い、空調制御、蓄電池制御それぞれの削減参考値の算出まで行った。
 新たな実証試験では、ファストデマンドレスポンスにおける自動化システムの有効性と、ネガワット取引の事業性を検証していく。実証フィールドは、食品スーパーマーケット、ビル、工場の計12ケ所で、事業期間は今年4月から来年3月まで予定している。
 検証実験の内容は次の3点。(1)スーパーマーケット等に導入された空調・蓄電池の自動制御システムによるファストデマンドレスポンスとしての価値の実証・改善。(2)アグリゲータの需要調整技術の確立。(3)ネガワット取引における運用・作業コストの削減。




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