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清水建設 短時間で高精度 超高層建物の地震被害を予測
2015.02.16 13:56
清水建設(東京都中央区)は、既存超高層建物の地震被害を短時間で高精度に予測できる地震被害予測システムを開発・実用化した。関東圏の同社施工物件を中心に約300棟の超高層建物に適用し、地震被害を予測した。
同システムは建物の所在地で想定される地震動をピンポイントで予測する入力地震動評価システム、簡易震動モデルを作成する構造解析モデル設定システムから構成されている。
超高層建物は、首都圏だけでも約1500棟あり、その半数以上を占める平成12年以前に竣工した建物については、揺れが大きい直下地震や長周期震動に対する設計が必ずしも十分に行われていない。今後、大地震が起きた際に被害が発生する懸念がある。一方で、耐震化の検討を再度行う既存超高層建物は少数にとどまっている。理由としては構造解析を伴う耐震化検討には高額な費用と長期間を要すること、超高層建物は地震に強く損傷しないというイメージが強いことなどのためである。
診断費用は20~30階の超高層建物(延床面積約3万m2)で300万~400万円、期間は1~2カ月程度になる。
今後、所有者からの要請に応じて総合防災診断を実施し、耐震改修工事の受注拡大を図る考えだ。