不動産トピックス
クローズアップ 省エネコンサルティング編
2015.01.05 16:29
省エネは様々な場面で要求されているものだが、実際にどこから、どのようにして省エネ化を進めていけばいいかよくわからない点も多い。今回はそのような悩みを解決するサービスに迫った。
エナジー311 低料金で「電力見える化」機器を貸し出し
エナジー311(茨城県土浦市)は「電力見える化」機器の貸出サービスを行っている。電気料金の高騰も重なって省エネに対する要請は高まる一方だが、他方で初期投資を回収できるだけの削減幅があるかについても疑問符がつくため、省エネ機材をなかなか導入できない事例もあった。
同社の貸出サービスは年間電気代の1%の基本料金(上限20万円)で「電力見える化」機器を5~7設備に対し2週間貸し出すことで、電力消費の無駄がわかるようになっている。事業所全体の電力を監視するデマンド監視サービスとは異なり、同社のサービスでは複数の設備を個別に「見える化」することによって「いつ、どの設備で、どれだけの」電力消費があるかが判る。これによって具体的な電力削減対策を提案することが可能となっている。
同社の提案は初期投資ゼロのものから、投資改修2年以内の電気代削減案を提示し、これは成果報酬制となっていることから、リスクも低い。自前で機器を持つ必要がなく、監視装置にありがちな「死に資産化」することも避けられる。
同社の代表取締役である小野村一博氏は「全体を見える化するだけではどこが無駄になっているかがわからず、削減方法もわからないのですが、個別の設備での無駄がわかれば削減をすることも容易になります」と語る。
平成26年4月に設立された同社はこれまで、製造業や温浴施設などから受注してきたが、今後は築年数の経っている中小ビルにも導入を勧めていきたい考えだ。
トレイン・ジャパン 出先でも確認可能なクラウド遠隔システム
エネルギー管理システム(EMS)導入を支援しているトレイン・ジャパン(東京都品川区)はクラウド遠隔監視システム「WSIC」を展開している。
同システムの特長としてまず挙げられるのは見やすく、かつ操作しやすい監視画面だ。温度などの監視ポイントは色が変わるアニメーションにより正常値と異常値を見分けることが容易になっている。またスマートフォンのような携帯端末やパソコンからも確認可能だ。タッチパネル端末の場合には、表示範囲をワンタッチ操作で 変更することができる。
また同システムは予知保全も可能となっている。機器の運転環境が悪い場合、アプローチ温度やコンプレッサの発停頻度などに影響がでて、能力が落ちたり、故障を引き起こしやすくなることがあるが、人による監視だけでは確認しきれないこともある。同システムが24時間監視することで、機器の状態悪化の早期発見が可能となっている。
多くの実績を誇る同社は今後も省エネ支援を進めていく方針だ。
テクノプランニング 省エネコンサルティングと設置工事を自社で
テクノプランニング(東京都千代田区)では省エネコンサルティングを行っている。同社が設立された平成19年以降、累計で210件の省エネルギー診断を行ってきており、補助金の申請支援と最適な設備導入の提案なども行っている。
同社ではコンサルティング事業を行うなかで、省エネ設備導入の工事も自社で行うことができるように特定建設業の資格を取得している。これによって省エネコンサルティングによって最適な補助金申請を提案することができるとともに、自社で設備設置の工事を行うこともできるため、導入支援がスムーズだ。同社の特長のひとつでもある。
コンサルタント部次長の桑野崇氏は同社の今後の取り組みについて次のように語る。
「まだ省エネ設備設置の工事の実績件数は少ないのですが、当社では全国でコンサルティングと工事を行うことが出来ますので、今後、工事例をさらに増やしていき省エネコンサルティングと一括して行えることを周知していきたいです」
同社が設備工事を行ったゴルフ場の事例では、バイオマスボイラシステムとLow―e複層ガラスなどの導入により、省エネ率が70・7%にまでなった。この事例では多くのメディアにも取り上げられたという。このような実績をもとに、今後、省エネ化が進んでいないビルなどへの提案も行っていきたい考えだ。