週刊ビル経営・今週の注目記事
毎週月曜日更新
日立ウィンドパワー 「秋田天秤野風力発電所」建設
2014.07.21 17:38
日立キャピタル(東京都港区)と日立製作所(東京都千代田区)は共同出資により設立した日立ウィンドパワー(東京都港区)を通じて、秋田県秋田市新屋町に秋田天秤野風力発電所を建設することを決定した。同発電所は同社が秋田県より約1万8000㎡の県有地を賃借し建設するもので、敷地内に風況を観測するための風況ポールを設置し性能確認などを行う試験場としても活用される予定だ。
日立ウィンドパワーは同発電所に風の強い地域でも発電可能な高風速対応2・1MWダウンウィンド型風力発電システム「HTW2・1―80A」1基の建設を本年度下期中から開始し平成27年度上期中に竣工させる予定となっている。発電出力は約2・0MW、年間の予想発電電力量は約5700MWhで一般家庭約1600世帯分の年間使用量に相当する。発電した電力は固定価格買取制度により全量を東北電力(仙台市青葉区)に売電する。
今回建設予定の風力発電システムは台風などの強風や地形による乱れた風など世界でも稀な厳しい環境である日本の風土にも適した高風速対応機として開発したもので、同発電所が初号機となる。 発電機の制御方法を変更することにより定格出力を2・1MWまで引き上げることが可能となった。強度については国際電気標準会議(IEC)の風速クラスIAに準拠しており、極地10分平均風速55m/sまで耐えることができる設計となっている。また、電力系統が安定的に運転しているなかで系統事故や負荷の変動等により電圧や潮流・周波数が乱れた際にも運転を継続することができる機能を有している。
日立キャピタルは平成27年度中期経営計画において再生可能エネルギー事業を累計350MWまで拡大させる目標を掲げており、日立キャピタルの金融ソリューションに日立グループの高性能で信頼性の高い発電システムを組み合わせ「One Hitachi」としてソリューションを一括提供している。同社は今後も成長が見込まれる風力発電事業のノウハウを蓄積し、太陽光発電事業とあわせ環境・再生可能エネルギー事業をさらに積極的に推進していく。