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富山県 氷見市新庁舎 市民の意見を反映
2014.05.05 17:37
富山県氷見市は、学校統合で使用されなくなった体育館を再利用して同市新庁舎を設立させた。新庁舎の完成までの歩みには、直面する課題への先駆的な試みが込められた。現庁舎が耐震性の不足と津波の浸水想定域にあること、また庁舎の分散や駐車スペースの不足など、防災面とサービス面で喫緊の課題を抱えていたが、同体育館を新庁舎として再利用するという案を選択し、防災、市民サービス、そして財政負担という三つの課題を同時に解決させた。
同庁舎の設立にあたり、同市は「市民のつぶやきをかたちに」を信条にして市民との対話を繰り返してきた。世田谷トラストまちづくり(東京都世田谷区)の協力を得て、市民協働の会議進行を行うファシリテーターが市民と行政が協働して考える新市庁舎デザインワークショップや市民庁舎前の空間の植栽プランを検討する花と緑のデザインを考えるネットワーク会議を開催し、市民の意見を同庁舎の随所に反映させたとのこと。行政としては日本で初めてフューチャーセッションルームを備え、開かれた市政、多様な対話によるイノベーションを目指している。
業務開始は5月7日。市民参加に徹し、衆知が集まる経営、政策創造都市を標榜する同市の新行政がスタートする。