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デジサーフ 10分100円の時間貸しスペースを初出店
2014.02.17 10:46
ウェブ上で集客を図り、実際の店舗へ誘導する「O2O(オンライン・ツー・オフライン)」というITを使った店舗展開を行うデジサーフ(神奈川県藤沢市)は今月11日、新業態となる「コインスペース 東急プラザ渋谷店」を開業させた。
同社は全国各地の公園や大規模商業施設の屋上といった遊休スペースを活用して、ネット予約受付からオリジナル機材、食材加工の提供まで行うバーベキュー場の運営を展開していたが、新たな業態として今回のコインスペース運営を開始。
同スペースは、JR「渋谷」駅西口の「東急プラザ 渋谷店」の1階、2階に開設され、10分100円の時間貸しをコンセプトに、食べ物や飲み物の持ち込み可、自販機のソフトドリンクを飲み放題にした「時間消費型」の空間を提供する。ちょっとした休憩や簡単な打ち合わせ、待ち時間の暇つぶしといった点がカフェ利用者の主な目的であり、混雑した「渋谷」駅前で、利用目的に応じて空間を自由に使用し、快適な時間を過ごしてもらうことが狙いだ。
1階は禁煙エリアで約200席用意。幼児を安心して遊ばせることができるキッズルームや、オムツ替えルーム、授乳室を完備している。また、2階には約100席あり、喫煙スペースを設置予定だ。ワーカー用に充電可能の個別デスクを用意した他、受付でアイパッドの貸し出しも行う。
「入場時はバーコード付きの腕輪を身につけていただき、滞在時間をサーバーで管理しています。今後はゾーン毎の稼働状況を把握し、利用者のニーズを分析していく予定です」(代表取締役 高橋 佳伸氏)
通常のカフェでは回転率が落ち込み、「渋谷」駅前という賃料負担に耐え切れず、撤退するケースが多いというが、同施設は時間貸しのため、回転率は関係ない。人通りの多いエリアで撤退していったカフェの跡地を狙って、今後は出店を進めていくという。また、今回は商業施設のため、滞在型の店舗仕様にしたが、オフィスビルへの開設も検討中だ。エリア特性を見極めて、運営形態を調整していくといい、オフィスビルの新たな空室活用になるか、注目だ。