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オリックス不動産 「生きた建築ミュージアム・大阪セレクション」に選定
2014.01.20 16:18
オリックス不動産(東京都港区)が事業主として開発し、関西で初となる歴史的建造物の外観を生かした大阪市中央区の分譲マンション「グランサンクタス淀屋橋」(平成25年9月竣工、地上13階地下1階建て、総戸数60戸、他店舗1戸)が、大阪の新しい魅力を創造・発信する大阪市の取り組み「生きた建築ミュージアム・大阪セレクション」に選定された。
「グランサンクタス淀屋橋」は、歴史的建築物である「旧大阪農工銀行ビル」の外壁の一部を歴史・文化的景観保存のため「曳家(ひきや)工法」により、同じ敷地内のマンション建設地点まで移動し、原形のまま再利用する取り組みを実施。外壁部分の再利用を図った「旧大阪農工銀行ビル」は、明治・大正期の建築家・辰野金吾が創立した辰野片岡建築事務所の設計により大正7年に竣工し、昭和4年の建築家・國枝博による改修を経て、およそ一世紀にわたって大阪の歴史的名建築の一つとして、市民に親しまれてきた。外壁はファサードにイスラム建築に見られる華麗な唐草文様やアラベスク文様が施され、近代建築の醍醐味である建物のコーナー曲線が美しく保存されている。
同社によると、今回の「生きた建築ミュージアム・大阪セレクション」の選定において、曳家という大掛かりな工法を用いて歴史的建築物の新しい再生・活用のあり方を提唱し、元の建築が持つ魅力を新たな用途に融合させ、維持・継承した先駆的な事例である点が評価を受けたとしている。