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「程よい距離感」がコンセプト シェアオフィスのはしり

2019.12.02 11:22

 「働き方改革」と歩調を合わせるように、シェアオフィスが広がりを見せている。ゲートウェイ(東京都港区)は、シェアオフィス運営の先駆け企業。2012年12月にオープンした「NAGAYA AOYAMA」は、「表参道」駅から徒歩8分の好立地案件。まもなく7周年を迎える。代表取締役社長の広瀬新朗氏は「これまでに多くの方から『シェアオフィスを運営したい』という相談を受けました。中には大手企業の方がいらっしゃることもありました」と語る。
 「NAGAYA」はその名のとおり、江戸時代の住居「長屋」をコンセプトとしている。「軒を連ねて暮らす長屋のように、オフィスメンバー同士がゆるやかな距離感を持って共存する空間にしたい」という思いから名付けられた。入居者の年代は、30~40代を中心に幅広い。業種も多種多様であるが、「青山」という土地柄からクリエイティブ関連が比較的多い。地方に本社を持つ企業の「東京オフィス」として利用されるケースもある。個室オフィスは全部で29室あるが、広々とした開放感あるオープンスペースのみの入居者も存在する。オープンスペースは椅子とテーブルを自由に配置することができるため、「程よい距離感」をつくり出すことに一役買っている。
 交流の場としてイベントが開催されている。入居者主催のセミナーが行われることもある。中でも特長的なのが、地方から蔵元や農家を招いての試食・販売会。生産者の方々とゆるやかな繋がりを持つことができる。「どの方からも作り手としての熱意が感じられて、毎回とても良い催しとなっています」(広瀬氏)。
 江戸時代のレトロな長屋と近代的でお洒落なオフィス。一見まったく結びつかないかに思えるその「ミスマッチ」さが、「NAGAYA AOYAMA」ならではの魅力を生み出している。




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