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三菱地所 有楽町エリア再構築へ 先導プロジェクト始動「Micro STARs Dev.」
2019.12.09 15:03
日本を代表するビジネス街「大丸有」の一つに挙げられる有楽町だが、開発においては大手町と丸の内の後塵を拝する感が否めない。エリアの再構築に向け、三菱地所が動き出した。
三菱地所(東京都千代田区)が有楽町エリア再構築に向けた先導プロジェクト「(仮称)Micro Stars Dev.(マイクロ スターズ ディベロップメント)」が2日始動した。同プロジェクトは、「これからの有楽町を、人やアイディアが更に磨かれる街へと進化させるべく、人の活動を街づくりの中心に据え、同社が多彩な外部の人材と協業しながら、人・アイディア・コト・モノを見出し、それらをcultivate(交わり・耕し・育み・磨く)し、次の時代を担うスターが生まれる『仕組み』を有楽町で作り上げることを目指すプロジェクト」。
活動の拠点として、JR「有楽町」駅前に位置する「有楽町ビル」1階に多機能型市場「有楽町『micro FOOD & IDEA MARKET』」、個人単位のアイディアを形にするワーキングコミュニティ「有楽町『SAAI』Wonder Working Community」(同ビル10階)に開業する。
プロジェクト発表会において、同社丸の内開発部長・吉田誉氏は、「まちの輝きは人がつくるということをコンセプトに進めていく予定です。外部の多彩な方々のご協力をいただきプロジェクトを進めていきたい」と話し、同丸の内開発部兼街ブランド推進部兼新事業創造部担当部長・井上成氏は「街の持続的な成長のためにはハードとソフトの両輪が上手くかみ合っていく必要があります。有楽町の再構築におけるキーコンセプトが『街の輝きは人が作る』です。有楽町の再構築を通して、新しいスター誕生の仕組みをつくることにチャレンジします。今まで我々がやってきていないアプローチをしようとしています。仕組みはシンプルです。アイディアが生まれる場所、磨かれる場所、試される場所、この3ステップを一つのスター誕生の基本にできないかという仮説で取り組もうと思っています。新しい流通の在り方の仕組みを考える取り組みなどです」と語った。
プロデューサーの1人であるワントゥーテン(京都市下京区)代表取締役社長・澤邊芳明氏は「出る杭は打たれると言いますが、最近日本には打ちたい杭すらない、新しいアイディアが生まれてくるような空気もない、これは非常にまずいと思っています。ベンチャー企業を率いる身として、この場でいろんなインスピレーションが生まれて、解像度が高まって、杭だらけになって打ちまくってやろう、そのなかから、本当に優れた杭が世界に羽ばたくような、そういうお手伝いをしたい」と意気込みを語った。