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「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」竣工

2020.01.27 15:39

 森ビル(東京都港区)が組合員として参画する「虎ノ門一丁目地区市街地再開発組合」が開発を進めてきた「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」が1月15日に竣工した。開業は4月を予定している。
 「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」は、敷地面積1万0065㎡、延床面積17万2925㎡、地上36階地下3階の複合施設。総貸室面積約9万6000㎡の大規模オフィスと、約7600㎡、店舗数計58店舗の商業施設を有する。
 交通アクセスにも優れる。日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅や銀座線「虎ノ門」駅とも地下通路で連結し、建物1階部分には空港リムジンバスや、都心部と臨海部を結ぶBRT(バス高速輸送システム)も発着可能なバスターミナルも設置され、新たな「東京の玄関口」として機能する大規模プロジェクトだ。
 さらに、隣接する「虎ノ門ヒルズ森タワー」の地下を走る環状二号線が全面開通すれば、羽田空港へもわずか25分でアクセス可能になる。
 オフィスフロアは5階~36階を占め、基準階貸室面積は約3000(900坪)㎡。各階の共用部には、社員同士のコミュニケーションの場となる大きなリフレッシュコーナーを設置。さらに、各階に防災備蓄倉庫を備えており、有事への備えにも配慮している。
 4階には約3800㎡の会員制インキュベーションセンター「ARCH」を開設する。施設内には、ミーティングルーム、コワークスペース、スクールルームなどを設置。大企業の新規事業創出などビジネス経験豊富なスタッフが常駐し、会員同士のコミュニケーションを促進しながら、新規事業創出に必要となる様々なノウハウ、サービス、教育プログラム、イベントなどを提供する。
 地下1階には、毎日の「健康」と「美味しさ」を提供するスーパーマーケットやカジュアルな飲食店、1階には、和菓子、スイーツ、ワインなどの店舗が出店する。また、2階には、これまでの虎ノ門エリアにはなかった、エリア初の物販フロアが登場する。さらに3階には、レストランに加えて、東京中の名店が一堂に集まる食のランドマーク「虎ノ門横丁」を開設する。
 更に2階には「虎ノ門ヒルズ森タワー」や「レジデンシャルタワー」、2023年の竣工を目指す「ステーションタワー」を結ぶ歩行者デッキの完成も予定される。既に「森タワー」との接続は完成しているため、新しい歩行者ネットワークと人の流れは形成済み。賑わい創出の機会に繋がった。
 21日に行われた竣工祝賀会において森ビル代表取締役社長・辻慎吾氏は、「虎ノ門は創業の地であり特別な思い入れがあります。この虎ノ門ヒルズビジネスタワーの誕生により、都心の新たな交通結節点としてこの一帯の利便性やエリアの価値が飛躍的に高まることになります。森ビルは今後も引きづつき、虎ノ門ヒルズエリアの一体的な街づくりに全力で取り組んでまいります」と語った。




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