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渋谷区/渋谷観光協会 Googleアシスタントで多言語対応 テクノロジー活用した新・観光PJ推進
2020.02.03 18:28
現在国内では年々増加傾向にある訪日観光客に対し、より快適な観光サービスの提供や環境づくりが急務となっている。人気の渋谷区では今般、これらの需要・環境構築に向けてテクノロジーで対応することを発表した。渋谷に移転してきたGoogle協力の下、積極的に多言語対応の環境づくりなどに取り組む。
昨年はラグビーW杯やハロウィーンで実施
渋谷区と渋谷観光協会(東京都渋谷区)は先月27日、渋谷区役所にて2020年以降のデジタル観光戦略についての記者会見を開催。今後はデジタルマップや多言語案内などを活用した新しい観光プロジェクトを推進していく。
同プロジェクトは、今年開催される東京オリンピック・パラリンピックや多くの来街者が見込まれるイベント・催し物、またここ数年で飛躍的に伸びている訪日観光客などを対象とした新たな観光戦略。主に観光のデジタル化や多言語対応を、「渋谷ストリーム」に日本法人の本社機能を移したGoogleの技術提供を受け推進する。また東急不動産(東京都渋谷区)とも連携し、昨年12月にオープンした「渋谷フクラス」1階の観光支援施設「shibuya―san tourist information&art center(以下shibuya―san)」を含む観光案内所などで、GoogleマップやGoogleアシスタントといったテクノロジーを活用しながら、訪日観光客を中心に、観光情報・マナー啓発情報の発信や地域の回遊性も高めていく。渋谷区と渋谷観光協会は、観光案内所の営業時間に捉われず、より多言語に対応した観光案内を実現するためのデジタル化の強化に取り組むことで、観光客と地域住民の双方にとってより快適な都市の実現を目指す。
双方はこれまでにも何度か取り組みを実施。昨年はラグビーW杯やハロウィーンの期間中のポスターに二次元バーコードを記載して、渋谷エリアにおいて試合の様子や雰囲気を味わえるリスト(場所や情報)を公開。スポーツバーやミュージックバー、クラブなどをマップ表記し、その様な店舗へ観光客や来街者などを誘導したかたちだ。また環境対策としては、区の環境政策課と共に喫煙所マップを通したマナー啓発も実施。第一段階として、作成したリストの二次元バーコードとURLを区のHP内で活用し、渋谷モヤイ像前とスクランブル交差点の喫煙所にポスターを設置した。昨今高まる喫煙対策について、整えたかたちだ。
多言語に対応した観光案内 最新テクノロジーで対応
今後は観光案内所でよく聞かれる質問への回答(おすすめスポットや近隣のレストランなど)を二次元バーコード化して掲出。混雑時にはセルフ・多言語で情報を取得でき、情報の持ち帰りも可能とする。例えば、有人の観光案内所にGoogleアシスタントを搭載したスマートディスプレイ「Google Neet Hub」を設置。同ディスプレイによって、リアルタイム通訳が可能なビジネス向けの通訳モード機能を活用した多言語での対応ができる。設置は1月27日から「渋谷マークシティ」内のクリエーションスクエアしぶや、青ガエル観光案内所、shibuya―sanで試験運用を開始。段階を踏み、オリンピック・パラリンピック期間中は駅前のみならず、区内の訪日観光客の多い店舗なども対象に設置する予定だ。また設置場所の案内スタッフや観光客からも、定期的にフィードバックの収集を実施する。
記者会見では長谷部健区長が登壇。「渋谷、特に『渋谷』駅周辺は訪日観光客から人気の観光スポットとして認知されております。加えて産業、IT、イノベーション、エンターテイメントにも優れており、今後益々増える見込みの観光客や来街者への対策・対応として、渋谷に戻ってきたGoogleと連携し、官民一緒になって様々な課題を解決していきます」と語った。