週刊ビル経営・今週の注目記事
毎週月曜日更新
日本郵政不動産 「蔵前計画(仮称)」始動 ヒューリックとの連携強化で今後の開発弾み
2020.02.17 18:02
日本郵政不動産(東京都千代田区)は先月31日、台東区蔵前1丁目に所在する1・4万㎡の敷地について開発計画「蔵前計画(仮称)」を発表した。オフィス棟、住宅棟、物流施設棟から構成される大型複合施設を計画し、下町文化と新しい文化が混ざりあう街・蔵前の魅力向上と周辺環境に調和した都市景観を創出する街づくりを目指す。
場所は都営浅草線「蔵前」駅から徒歩3分、都営大江戸線「蔵前」駅、JR総武線「浅草橋」駅から徒歩7分。エリアは江戸時代に幕府の御米蔵(浅草御蔵)があったことに由来。現代では町工場・玩具等の卸問屋・住宅が立ち並び、ものづくりの職人等下町の風情と文化を残しながら、最近ではカフェやショップ、クリエーターが集まるトレンドの発信地となっている。
この土地には、日本郵政グループの事務所や社宅等が立地。現在はそれらの既存建物解体工事を進めている。
今回の開発計画で予定されるオフィス棟はガラスファサードで都市的な顔をつくり、均一な採光を確保できる北向きに配置。また基準階面積約660坪を確保し、コミュニケーションがとりやすく開放感のある空間を提供する。環境性能としては「CASBEE」のSクラス評価の取得を目指す。
また同日には不動産事業に関する開発事業および新規取得、その他不動産関連ビジネスにおいて企業価値向上・収益拡大を図っていくため、ヒューリック(東京都中央区)との連携強化も発表した。
今回の連携強化では従来行ってきた相互出向による人事交流の実施に加えて、共同事業による不動産開発も行っていく。第一弾としてヒューリックが開発する「(仮称)赤坂二丁目開発計画」、また日本郵政不動産が開発を予定する「(仮称)汐留プロジェクト」を共同で開発していく。
日本郵政不動産担当者は「他の不動産会社との共同事業等もあると考えています。具体的な案件で、条件面等の合意に至れば、共同事業や共同取得を検討していきます」と話す。
日本郵政グループの資産の効率的な開発や共同事業参画、収益物件取得に向けて2018年4月に設立された日本郵政不動産。蔵前での大規模開発案件をはじめとした各地での開発事業は、今後速度を速めていくことになりそうだ。