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「高輪ゲートウェイ」駅ホームに調光調色が可能な照明を導入
2020.03.09 16:58
パナソニック ライフソリューションズ(大阪府門真市)は、東日本旅客鉄道(東京都渋谷区)とPLC(電力線通信)による調光調色が可能な駅ホーム用の照明制御システムを共同で研究開発した。今月14日に開業予定の新駅「高輪ゲートウェイ」駅に、合計594台のPLC通信部内蔵ホーム用照明器具を納入した。なお、PLCによる調光調色照明制御が駅のホームに本格採用されるのは国内初となる。
照明器具を調光調色するためには、電源線とは別に信号線を敷設する必要がある。費用と工期がかかる点がネックとなり、駅での照明制御システムの導入は多くない。特に駅ホームでの改修は、工事可能な時間が終電から始発までの短時間に限られるため、導入しづらいという背景があるという。信号線不要の通信方式として無線方式があるが、駅構内では無線LANや列車無線などさまざまな無線が利用されているため、混信による通信性能の低下が懸念される。そこで、信号線が不要かつ無線を使わない方法としてPLCに着目した。
PLCは、電気機器にエネルギーを供給する電力線に高周波の通信用信号を乗せて伝送することにより、電力線を通信線としても利用する技術。従来は、照明制御盤から各照明器具へ信号線を敷設する必要があったが、PLC照明制御システムでは信号線が不要となる。動作は、駅全体の中央監視設備からの指示を受け、PLC制御部が調光調色信号をPLC信号に変換して電力線に重畳し伝送する。その後、PLC通信部内蔵ホーム用照明器具が、受信したPLC信号を調光調色信号に再変換して指示した点灯状態を再現する。各照明器具にアドレスが割り当てられるため、信号線を付け替えなくても、照明器具個別に点灯状態を変更することも可能となっている。
開発したホーム用照明器具は、時間帯や天候に応じ、PLCにより調光調色制御を行なう。日中は自然光との調和を図るため、昼白色~白色の光で照明し、夕方からはコンコースと合わせて電球色の温かみのある光の照明にする。