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三井住友建設 「プレストレスト木質構造」設計法を確立

2020.03.09 17:01

 三井住友建設(東京都中央区)は自社開発した「プレストレスト木質構造」工法について、実物件への適用に向けた構造性能の確認実験や評価・分析を行い、同工法の設計法を確立したと発表した。
 地球環境への配慮から木材資源の活用が注目され、木質構造の適用範囲を中大規模建築物へ拡大することが期待されている。そこで同社では、橋梁分野で培ってきたプレストレス技術を木質部材に応用し、単一の木質部材であってもオフィスや商業施設などで大スパンによる大空間・大開口を実現する「プレストレスト木質構造」を開発した。その後、プレストレスを導入した木質部材の構造性能試験や梁の曲げ耐力試験などを実施し、木材のクリープ特性や接合部の構造性能評価を行い、実用化のための設計法を確立した。
 同設計法はプレストレスを導入した木質部材とラーメン構造により、大スパンで自由度の高い大空間と外周部に壁のない開放的な建物を実現する。PC鋼材を柱梁接合部(鉄筋コンクリートRC造)に貫通させて緊張することで、梁が柱に圧着し、大地震時にもPC鋼材がフレームの変形を元の位置に戻す力(復元機能)を発揮する優れた耐震性能を発揮する。
 今後は、同社施設での同工法の適用で設計法・施工法をさらに整備し、サスティナブルな中大規模建築物への適用に取り組み、CO2排出量が少なく環境に優しい安全で安心な社会の実現に貢献するとしている。




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