週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

ジャパンアセットマネジメントの再生プロジェクト A-Building 築32年の築古ビルを1棟貸しに

2020.04.06 12:49

 不動産の再生をワンストップで企画コーディネートするJapan.asset management(ジャパンアセットマネジメント、東京都渋谷区)は、区分所有マンションの買取再販事業を主に手がけるジャパンプライムムーバ(東京都港区)が所有する渋谷区代々木の築32年のビルを、一棟丸ごと賃貸オフィスとしてバリューアップする「A-Building」プロジェクトを実施した。
 「A-Building」は、借り手と貸し手のニーズに応え、従来の常識にとらわれないオフィス賃貸借の仕組みを再構築。資金調達規模が数億~10億円ほどのベンチャー層をターゲットに、「一棟自社ビル」という新たなニーズを開拓した。2019年10月のバリューアップ後に入居募集を開始したところ、元の賃料の約1・5倍で複数の申し込みを獲得した。
 素材となった建物は築32年、敷地面積170㎡、延床面積386㎡、鉄骨造のエレベーター無し4階建て。
 賃貸でも企業ブランドを意識して、自社ビルのように使用したい意向を持つ企業のニーズを実現できるよう、共用設備、屋上、外壁までカスタマイズ可能とした。費用面では他社とのオフィスシェアを可能にしたり、入退去費用を軽減する施策を盛り込んでいる。
 一方で、貸し手側となるビルオーナーの負担を軽減し、中小の築古ビル経営におけるストレスを極力取り払う仕組みも提案。カード払いに対応したり、ルーフトップバルコニーを新設することで魅力を高めた。
 その他、取り組みや工夫は多岐にわたる。一部を列挙すると、ルーフトップバルコニーを新設。ペット飼育可。駐車場1台付き。運営面では、改装可能、原状回復義務無し。低額保証金・光熱費定額。ICカードによる入退室管理システムを装備。といった施策が挙げられる。
 建物は新耐震基準をクリアし、個別空調、機械警備、インターネット設備、電気給湯機なども充実させた。
 ジャパンアセットマネジメントは今後も難易度の高いプロジェクトの建築マネジメントを中心に、中小ビル再生事業をワンストップでサポートするコンサルティングをめざすとしている。




週刊不動産経営編集部  YouTube