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千代田区医師会/三菱地所ほか 大丸有地区での災害時医療の対応・連携強化 基本協定書を締結し協力体制を構築

2013.09.16 12:08

 千代田区医師会と東京駅周辺防災隣組、ならびに三菱地所(東京都千代田区)は、大規模災害時における大手町・丸の内・有楽町エリアの医療対応強化を目的に、災害時における医療活動や仮救護所設置等についての情報発信に関し、基本協定書を締結して協力体制を構築した。
 大規模災害が発生した場合、就業者数約23万人の大手町・丸の内・有楽町地区におけるけが人・病人等への医療対応は困難を極めることが予想される。三菱地所の発表によれば、仮救護所にて医療活動を行う立場、仮救護所を設置する立場、仮救護所設置情報を発信する立場が連携・協力する態勢を構築することで、安心・安全な街づくりに資することができると考え、今回の基本協定書の締結に至ったとのこと。この基本協定書においては、大規模災害時に三者が後述の役割を可能な限り担うことを定め、災害時のスムーズな連携を取るべく理念を取り決めている。この基本協定の理念をもとに、詳細な協力体制が今後検討されることになる。各者の活動例について以下の通りである。
千代田区医師会…三菱地所が仮救護所を設置した場合には、医師および看護師を派遣し、応急治療・トリアージにあたるように努める。
三菱地所…状況に応じて、大手町・丸の内・有楽町地区の所有ビルに仮救護所を設置するように努める。この場合、医師会へ医師および看護師の派遣を養成。また、東京駅周辺防災隣組へ仮救護所の設置ビルおよび状況についての情報を連絡する。
東京駅周辺防災隣組…帰宅困難者等へ三菱地所から得た仮救護所設置情報の発信に努める。
 千代田区医師会は今回の協定を、今後様々な組織との連携による災害対策拡充の第一歩と捉えており、三者の協定となったことで、昼間人口が約80万人に達する千代田区において公共の災害時医療をより前進させるとしている。また、三菱地所は大手町・丸の内・有楽町地区の防災機能の充実を図り、災害時の医療対応を充実させることで、テナント企業や来街者ならびに街区全体の安全・安心対策をさらに強化するとしている。




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