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インフェス 任売情報を手軽に入手できるマッチングサイトが話題に
2013.08.05 15:35
「競売」は有名だが、「任売」を知らない方は多いのではないだろうか。
アベノミクス以前の長い景気低迷でローンが破綻した物件が競売市場に大量投下されたため、いわゆる「サラリーマン投資家」が競売市場に多数参入したのは記憶に新しい。現在もその傾向は続いているのだが、それゆえに物件価格の高騰を招く要因ともなっている。
一方、「任売」とは任意売却のことを指し、融資を受けている金融機関からの合意に基づき不動産を売却する手続きのことである。一般的な不動産取引と同様に売主と買主の合意に基づいて売買される物件で、場合によって競売よりも割安に取得できることもあるため、注目が集まっている。
とはいえ、任売物件は情報が市場に出にくいため、一般投資家にとって簡単に参入するのが難しかったのが課題だった。しかし、ここにきてその風向きも変わりつつある。今年7月にIT関連企業のインフェス(東京都新宿区)が任意売却物件の専門サイト「任売市場」を立ち上げるなど、手軽に任売情報を入手できる仕組みが整備されつつあるのだ。
同社の代表取締役を務める菊地拓也氏によると「サイト開設から間もなく、投資家だけでなく任売物件を取り扱う不動産会社からの問い合わせが殺到し、ニーズの高さに驚かされた」と話す。同社の「任売市場」は写真や動画、地図などの視覚情報とともに詳細な物件情報を盛り込んだ任売物件情報を掲載している上、条件を登録しておくと、条件に合致した物件情報が自動的に配信される「自動マッチングシステム」を採用しており、使い勝手の良さを追求している。