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建物清掃のダイキチカバーオール 空間除菌サービス開始 新型コロナ対策にも

2020.05.18 17:21

 ダイキチカバーオール(大阪市中央区)は、関西圏を中心に、ビルやマンション共用部などの建物清掃のフランチャイズ事業を展開している。3月より新サービスとして空間除菌作業を行っており、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で引き合いも増えているという。三山和人大阪地区本部長にインタビューした。

――会社について教えて下さい。
三山 米国発祥の建物クリーニングサービス「カバーオール」のフランチャイズ本部です。カバーオールは1996年に日本に上陸したのですが、その際にダストコントロール事業のダイキチと、ダイオーズさんの共同出資で日本法人カバーオールジャパンを設立しました。 
 2002年にダイキチとダイオーズさんが、それぞれ西日本・東日本を管轄するフランチャイズ本部となり当社が設立されました。当社は関西圏及び中京圏で展開しており、現在800以上のフランチャイズオーナーがいます。また、昨年6月には当社の協力会社が、福岡県でリビングカバーオールのブランドで事業を開始しており、九州進出を果たしています。 ――現在、清掃を行っている建物の数などは。
三山 約1万6000カ所です。最も多い現場はマンションの共用部清掃で全体の6割強です。それ以外ではオフィスビルや店舗ビルなど非住宅物件の共用部清掃、事務所や店舗内など専用部の清掃があります。
――手がける建物の規模などは。
三山 効率面などから大手のビル清掃会社が受けたがらない中小規模の建物をメインに考えています。小さな建物ではオーナーやその家族が清掃することもあるかと思いますが、それでは体力的、時間的にも負担が大きいですし、清掃のプロではありませんから品質の面でも十分とは言えません。
――フランチャイズ方式を用いている理由は。
三山 大手のビル清掃会社でも、実際に現場で清掃作業を行うのはパートやアルバイトのスタッフであることがほとんどです。それに対し、当社の場合はフランチャイズオーナー、つまり経営者自身が清掃しますので、仕事に対するモチベーションや責任感が全く違います。清掃スタッフが短期間で変わってしまい、オーナーやテナントとの信頼関係が築けない、などといった心配もありません。
 また当社のフランチャイズ制度は、新たな清掃現場の開拓は本部が行うのが大きな特徴です。つまり加盟店は営業活動を行う必要がありません。そのため営業に充てていた時間を技術向上のための勉強などに使えますので、質の高い清掃サービスを提供できます。
――新サービスも開始したそうですが。
三山 建物内の空間除菌サービスを3月より開始しました。ノロウイルスなど様々な細菌・ウイルス・カビに効果のあるオリジナルの特殊カチオン性界面活性剤「バリア24plus」を建物内に噴霧します。除菌効果は1週間続きますので、週に1回定期的に噴霧することで「感染症にかかりにくい建物環境」が実現可能です。
――費用などは。
三山 現在日常清掃に入っている現場へオプションとして提供、もしくは日常清掃と空間除菌のセットでの新規提供を基本としています。この場合は、日常清掃1日当たりの単価と同額で週1回の噴霧作業を行います。日常空間除菌のみの依頼の場合には日常清掃単価2日分となります。床面積や訪問回数により具体的な金額は異なりますので、一度お問い合わせください。
 また、これらとは別に、スポットでの除菌作業も行います。新型コロナウイルス陽性者がいない現場は100㎡までが税別2万円。それ以上は1㎡当たり200円です。一方、陽性者がいる現場は350㎡までが一律税別21万円。それを超える場合には、1㎡あたり500~600円の範囲で計算します。なお、陽性者がいる現場についてはフランチャイズオーナーではなく、本社スタッフが直接作業します。




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