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全宅連、銀行の不動産仲介解禁に反対 反対要望書を自民党に提出
2020.05.18 17:32
全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連、東京都千代田区)は5月12日、銀行の不動産仲介業務解禁に反対する要望書を自民党の野田毅衆議院議員に手渡した。
自民党が5月中にまとめる予定の「成長戦略の提言」の一環である金融調査会金融イノベーション加速化PTには、「事業再生・事業承継支援の一環としての不動産仲介業務の規制緩和」が項目として挙げられている。
全宅連は従来より銀行の不動産仲介業務解禁には反対を表明。「宅建業の公正な競争を阻害し、地域の中小宅建業者の存立を脅かせば国策である地方創生の流れに逆行する」として、坂本久会長が野田毅議員に「銀行の不動産仲介業務解禁に対する反対の要望書」を直接手渡した。
野田議員は宅地建物等対策議員連盟会長と自民党金融調査会最高顧問を務める。全宅連の要望に対し、「趣旨は理解した。銀行の不動産仲介業務参入は受け入れられない」と賛同を表明した。
坂本会長は「コロナウイルスの感染拡大により人・物の移動が制限されている。コロナ後も不動産業界は大変厳しくなると予想される。我々の経済活動、雇用維持の観点からも断固反対する」とコメントした。
一方、地銀を中心とする金融機関側は、伸び悩む本業を補うとともにシナジーも見込める不動産仲介業への参入を要望。2018年9月には全国地方銀行協会(東京都千代田区)が内閣府に対して要望書を提出するなど不動産仲介業務解禁への働きかけを強めている。