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CBRE 世界のオフィス賃貸コストを発表
2013.07.15 17:36
CBRE(東京都港区)は7月8日、米国CBREが実施した「プライムオフィス賃貸コスト」調査の結果を発表した。これは世界127都市を対象にオフィス賃料などを調査するもので、半年ごとに実施されている。
結果によると、世界で最もオフィス賃貸コストが高かった都市は香港(セントラル)で、3回連続のトップ。アジアの4都市がトップ5にランクインしており、他にも香港(西九龍)が6位、東京(丸の内・大手町)が8位など、アジアの隆盛を感じさせる結果となった。しかし、ジャカルタが38・9%という上昇率を記録した一方、シンガポールはマイナス16・3%で下落率トップ。国債格付けが「投資適格」に復帰し、国内需要が回復したインドネシアに対し、シンガポールは新規供給の増加が下落の要因と見られている。なおトップ50のうちアジアパシフィックが21都市、欧州・中東・アフリカが18都市、アメリカが11都市となっている。
CBREによると、アメリカとアジアパシフィックでゆるやかな上昇となった一方、不況下にあるヨーロッパはわずかに下落。全世界では前年比1・4%の上昇にとどまった。とはいえ前述のジャカルタなど大幅に上昇した都市もあり、地域差は大きい。同社グローバルチーフエコノミストのレイモンド・トート氏は「オフィス賃貸コストの上昇ベースは減速しているものの、中核的なビジネスエリアにおけるプライムオフィスの供給量が限られているため、賃貸コストの上昇は続いています。また、オフィス賃貸コストが最高水準にある都市は、世界や地域内の各地に移動しやすい場所に立地するプライムオフィスを必要とする、大手多国籍企業の地域本社が集中する傾向にあります」と分析している。