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三幸エステート 東京都心5区大規模ビルの空室率が下げ止まりの傾向から再び低下に転じる

2013.06.17 16:37

 三幸エステート(東京都中央区)は11日、平成25年5月度の東京都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)及び全国6大都市(東京・札幌・仙台・名古屋・大阪・福岡)の大規模ビル(基準階貸室面積200坪以上の賃貸オフィスビル)のマーケットデータをまとめた「オフィスマーケット2013 6月号」を公表した。
 これによれば、東京都心5区大規模ビルの空室率は過去2カ月間下げ止まりの動きが見られたものの、5月は再び低下に転じ、6・17%まで改善している。これは直近でのピークである昨年6月に記録した7・21%からの改善幅が、11カ月で1ポイント超に達したことを示している。また、IT・通信系企業を中心に拡張、統合移転需要が活性化しつつあり、景気回復と企業業績改善を背景に、1000坪を超える現空床の解消事例も複数見られたものの、現空面積は昨年3月以来、30万坪を上回る水準に張り付いており、移転可能なオフィスビルの選択肢は多い状況となっている。テナント需要の高まりに対し、移転先候補の豊富さもテナント需要の顕在化を後押ししているものとみられる。募集賃料は再び上昇に転じたが、依然として坪あたり1万9000円台前半での横ばいの範囲内にとどまっている。昨年12月に記録した坪1万9190円を底値に下げ止まりから底打ちへ向かう兆しも見られるが、そのペースは緩やかな状況である。
 なお、5月末日時点での全国6大都市の大規模ビル空室率は、東京23区が6・7%、札幌市が5・5%、仙台市が11・6%、名古屋市が7・6%、大阪市が10・5%、福岡市が8・1%。坪当たり募集賃料は丸の内(東京)が3万8333円、駅前通(札幌)が1万2031円、駅前本町(仙台)が1万2676円、名駅(名古屋)が1万7231円、梅田(大阪)が1万9539円、天神(福岡)が1万5163円となっている。




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