週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

ミサワホーム 新木質構法採用したビルが完成

2013.06.17 17:34

 ミサワホーム(東京都新宿区)が開発した木造ビル構法「FWS(フューチャー・ウッド・システム)」を初めて採用したビルが静岡市駿河区に完成した。「FWS」は「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」の施行などを背景に、同社グループのミサワホーム総合研究所(東京都杉並区)が中心となって開発した工法。独自の木質接着複合パネルを活用し、木質構造の可能性を拡げることを目的に研究がすすめられてきた。
 今回完成した「ミサワホーム静岡事務所ビル」は同社が昨年10月より建設をすすめてきたもので、同社グループのミサワホーム静岡(静岡市駿河区)の本社社屋として使用される。柱や梁に使用されているのは、高強度の木質接着複合パネルを立方体形状に貼り合わせた部材。この部材の使用により、これまで木質構造ではほとんど例の無い2方向ラーメン構造と最大9・1mの大空間を実現。また部材を工場で生産し、現場での接合を金物とボルトを用いた簡単な作業としてことで輸送・搬入・現場組み立て作業の省力化と省コスト化に成功。組み立て開始から上棟まではわずか2週間という。国土交通省の「木のまち整備促進事業」にも採択されている。
 建物は延床面積2894・93㎡、敷地面積4721・27㎡の3階建てで、1階がピロティ、2階が商談スペースや住宅機器のショールーム、3階がオフィスとなっている。屋上には50kWの発電量をもつ太陽光パネルを設置し、発電した電気はすべて売電する。
 同社グループでは今後も「FSW」の開発をすすめ、大規模建築物や4~5階建ての中層建築物の木質化に積極的に取り組むとしている。また民間の建物にとどまらず、学校や医療機関、介護施設など公共工事へも提案していうという。




週刊不動産経営編集部  YouTube