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大和ハウス工業 大阪マルビルの壁面緑化完成

2013.06.10 15:23

 大和ハウス工業(大阪市北区)が、建築家・安藤忠雄氏とともに今年1月5日からすすめてきた「大阪マルビル」の壁面緑化プロジェクト「都市の大樹」の工事が6月6日に完了した。
 「都市の大樹」は安藤氏の呼びかけによってスタートしたもので、大阪マルビルの円筒形の外観を大木に見立てて蔓や蔦で壁面を覆い、大阪の新たなシンボルにすることを企画したプロジェクト。壁面緑化だけでなく、一般の来館者が緑を楽しめるスペースも設けた。
 1階屋外スペース「大阪マルビル 緑のテラス」は同社グループの大和リース(大阪市中央区)が様々な植物を植樹。大和リースが推進する日本らしい都市景観を緑とともに再現するプロジェクト「日本野(にっぽんの)」をキーワードに、約20種・2600鉢を用いた緑の壁を創りあげた。壁は高さ2・5m、幅16mのものと、高さ2・85m、幅10・5mの2面で、裏面の土壁は左官の挟土秀平氏が仕上げた。テラス部分は30種の草花でアレンジしたベンチスペースを用意し、来館者がくつろげる空間を提供する。夏場にはミストシャワーも設置する予定。さらにビル1~3階の柱部分と4階壁面には合計55個の自動灌水装置付きのプランターを設置。ステンレスワイヤーに蔓や蔦を巻きつけ、1~6階までの壁面約1000㎡を緑化した。
 同社ではこのプロジェクトを環境緑化のシンボルとして、また環境技術のショールームとしても活用するとともに、同社グループのシンボルタワーとしても位置付けている。竣工以来大阪の情報発信基地として機能してきた大阪マルビルが、今後は自然環境の発信基地としての役割も果たしていくとしている。




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