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緑化計画研究所 雑草防止・景観的配慮・発電効率の低下を緩和する

2013.06.03 12:11

 平成24年7月から開始された再生可能エネルギー固定価格買取制度の買取価格の好条件が追い風となり、メガソーラーの計画が相次ぎ、遊休地などを活用して建設が進んでいるプロジェクトも多いのではないだろうか。
 ただ、国内より普及が進む海外ではメガソーラー施設で広大な面積に生えている雑草の除草が求められてメンテナンス費用が増大して問題化しているほか、ソーラーパネルに繁茂した雑草の葉が影となってソーラーパネルの発電効率に影響を与えている事例も報告されているという。
 屋上緑化・壁面緑化などの緑化に関する計画・コンサルティング・施工・資材販売を行っている緑化計画研究所(横浜市西区)は、フジタパラダイスパーク(鳥取県岩美郡)が開発した常緑キリンソウ袋方式を用いた緑化システムを取り扱っている。
 常緑キリンソウ袋方式は専用土壌が入ったファスナー式の袋に常緑キリンソウを植栽し、袋を並べるだけで緑化が完成。ファスナー式の袋によって雑草の侵入を妨げるとともに、常緑キリンソウは成長しても30cm程度で1年を通して生えていることもあり、雑草が生育しにくい環境となっている。また、乾燥に対する耐性が非常に強く、散水が不要で雨水のみで育つうえ、冬に植物の自己機能で新旧の入れ替わりがあるので剪定の必要がないとのこと。そのため、雑草防止の省管理型緑化として、現在、メガソーラー施設に常緑キリンソウ袋方式の提案を行っている。
 「メガソーラー施設の雑草対策で砂利敷きにしている場合だと、やがて雑草が侵入し繁茂することが予想されます。その他にも、コンクリートで固めている事例では夏場の日差しにより高温となって発電効率が低下することも考えられます。そこで、常緑キリンソウ袋方式はメガソーラー施設で発生する雑草問題を解消すると同時に景観上の配慮も可能にしております」(代表取締役 松本 功氏)
 なお、常緑キリンソウ袋方式は屋上・壁面緑化にも展開されており、浅草文化観光センターをはじめ、これまで500件近くの施設に採用されている。常緑キリンソウは土壌が3~5cm程度で生育するため、1㎡あたりの荷重は40kgと軽量なので幅広い場所に導入されている。

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