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みはし 独立開業を志す建築家専用シェアハウス

2013.04.22 17:20

装飾材の国内最大手メーカーのCSR活動 建築・設計に必要な設備機器が充実
 企業が社会的責任を果たすための「CSR活動」には様々な形が存在するが、内外装飾材に特化した国内最大手メーカー「みはし(埼玉県和光市)」の取り組みは「育成事業」である。同社が取得した東京都板橋区の「日本住宅物流センタービル」の8階に、34部屋のレンタルオフィスを開設。今年5月から独立・開業を志す建築士に格安提供するという。同社代表取締役会長を務める三橋英生氏は、同施設開業の経緯を次のように話す。
 「今年5月で創業41周年を迎える当社は、これまで建築士と二人三脚で事業を展開してきました。建築業界を取り巻く環境は厳しく、様々な課題を解決に導くためには有能な建築士を育成することが不可欠です。そのため、当社ではショールームの8階フロアにレンタルオフィスを開設し、格安で貸し出すことで建築士育成をサポートできればと考えました」
 同レンタルオフィスの最大の特長は、月額使用料の安さだ。34室すべてにデスク、椅子、CAD等の設計ソフトがインストールされたデスクトップパソコンを設置。さらに設計図等も印刷できる多機能型カラーコピー機も完備され、建築士の独立・開業に必要な投資コストを極限まで省くことができる。さらに、給湯設備、大会議室、共有スペースも完備。特に、大会議室は収容人数が120名以上で、セミナーを主宰することも可能だ。また、同施設の1階の喫茶室や、ショールームのロビーを打ち合わせ等に利用することができる。24時間365日利用できる点も建築士に向けたサービスとなっている。これら充実したサービスを含めて月額使用料金は1部屋3万5000円となる。別途利用者負担となるのは管理費1000円、入居者同士の月例親睦会の費用1000円、あとは通信費とコピー代のみだ。
 さらに、ショールームの存在も大きな強みになる。建築士がクライアントにプレゼンする場合、実際に建材を見ながら説明したほうがわかりやすく、さらにアイディアも豊富に出る。同ビルの1階から6階まで同社のショールームになっており、展示アイテムは1万点以上。それらを活用しながらクライアントへの説明も可能だ。
 入居対象となるのは、建築士やインテリアコーディネーターといった建築関連職種に限定し、独立・開業を志す方か、地方の建築設計事務所の東京事務所に限る。
 同社ではハード面だけでなく、大会議室で建築士によるセミナー・講演会を開催すると共に、業界内の情報提供入居者同士のネットワーク構築のため毎月親睦会を開催する予定だ。




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