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取材メモ オーナーの収益性 市場拡大に不可欠

2020.06.08 17:35

 レンタルスペースを横断して検索するプラットフォームは今後も増えていくかもしれない。
 業界最大手は東証マザーズに上場するスペースマーケット。プラットフォームの掲載件数は公開ベースで1万3356件(6月5日17時時点)。Rebase(東京都渋谷区)が運営する「Instabase」は8472件(同時点)にのぼっている。まだ業界的にも成長途上にあり、情報通信研究機構とシェアリングエコノミー協会が2019年4月に共同でまとめた「シェアリングエコノミー関連調査結果」によれば、シェアリングエコノミー全体の市場が現状のペースで成長をすれば2030年度には5兆7859億円、認知度やサービス利用への不安等の課題が解決した場合には11兆1275億円に拡大するとみる。不動産業界と密接に関わるスペース分野でも18年度5039億円だが、2030年度には現在のペースで1兆8047億円(ベースシナリオ)、課題解決シナリオでいけば3兆5056億円になるとはじく。プラットフォーム事業は魅力的だ。
 他方、スペースオーナーの悩みが手数料。おおむね利用料の3割程度と言われる。レンタルスペース等を収益化していくことを考えると決してハードルは低くない。今後はプラットフォーム、オーナーのそれぞれが事業として継続できる環境、制度設計がポイントとなる。コロナ禍でテレワークが広がった。働く場所としてレンタルスペースへの需要が強まる。プラットフォーム、スペースオーナー、利用者の「三方よし」が「課題解決シナリオ」実現への正攻法だ。




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