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西松建設が「アジャストビーム構法」開発 高層RC造建物の工期を短縮

2020.07.06 15:45

 西松建設(東京都港区)は、高層鉄筋コンクリート造建物の柱梁接合部のプレキャスト化率を向上させる「アジャストビーム構法」を、静岡理工科大学丸田誠教授の指導のもと開発した。
 鉄筋コンクリート造の柱梁接合部は多くの鉄筋が混み合うため、あらかじめ形成したコンクリート部材を組み立てるプレキャスト化が困難とされてきた。
 「アジャストビーム構法」は、梁の降伏ヒンジ位置を調整する「ヒンジリロケーション技術」を活用し、梁端部から接合部内の主筋を梁一般部主筋より太径化・高強度化することで、降伏ヒンジ位置を継手先端位置で成立させる。機械式継手を柱面寄りに設置でき、運搬車両にも積込みできるプレキャスト接合部を実現した。
 機械式継手位置を変化させて梁の曲げ強度を調整でき、設計自由度も向上。機械式継手位置を離して梁の曲げ強度を大きくすることができるため、梁一般部主筋の削減やロングスパンにも対応可能だ。また、降伏ヒンジ位置を柱面から離すことにより見掛けの接合部形状が大きくなるため、接合部内主筋の付着改善や柱梁接合部の曲げ降伏防止等の効果も期待できるという。




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