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1962年竣工の北のランドマーク「北海道ビル」閉館へ

2020.07.20 15:16

 三菱地所(東京都千代田区)が、「北海道ビル」の閉館を決定したと発表した。
 将来的な再開発に向けたもので、札幌市中央区北二条西四丁目に所有する「北海道ビル」を閉館する。再開発後の建物計画は現在検討中で、閉館は2022年度内を目途に行われる。
 同ビルは敷地面積2539㎡、延床面積2万5951㎡、鉄骨鉄筋コンクリート造、地上9階地下2階塔屋3階のオフィスビル。
 三菱地所は1947年6月に札幌出張所を開設して本格的に北海道内で事業を開始した後、1962年12月、高度経済成長期を迎えるなか「北海道ビル」を開館。東京・丸の内のオフィスビルと同等の諸設備を備えた大規模オフィスビルとして、北海道における本格的オフィスビルの草分け的存在となった。また北海道における同社の旗艦ビルというだけではなく、ビル内部に設置したシンボリックな噴水や、雪まつり開催時にビルを解放して休憩所を設けていたことなどから札幌市民の認知度は高く、「道ビル」と呼ばれて親しまれていた。
 建設時にも、施工会社と同社技術陣が協力して新工法を採用したことが大きな話題となった。当時、北海道での建設工事は冬季には中断することが通例とされていた。同ビルでは、工事個所に仮屋根を設け、屋根および周囲をビニールシートで覆い、内部を温風暖房して凍害を避ける画期的な工法を採用したことで、大幅な工期短縮に成功するとともに、冬場に落ち込む北海道の雇用確保に貢献したと言われている。
 また、2000年には外装を含めた全面リニューアルを実施し、北海道庁やサイロなど北海道をイメージさせる赤煉瓦のタイルから、現在のアルミパネルへ装いを新たにしただけでなく、全館個別空調を採用するなど、設備面でも競争力を維持することに努めていた。




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