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東芝エレベータ エスカレーター遠隔監視の新システム開発に着手
2020.08.03 15:20
東芝エレベータ(川崎市幸区)は、エスカレーターの踏段を駆動するチェーンの状態を常時診断する機能を備えた遠隔監視システムの開発を進めている。遠隔監視システムが完成すればチェーンの劣化状況が常時診断でき、重大事故となる切断や破壊に至る前に予兆を発見して適切な処置を講じることが可能。同社は7月28日、遠隔監視システムについて今年度中に開発を完了し、新規に出荷するエスカレーターへの適用を開始する予定であると発表した。
エスカレーターの主要機器であるチェーンは、電動機で発生した動力を各機器に伝達しエスカレーターを運行させる重要な役割を担う。チェーンの劣化が進むとエスカレーターの運行に支障をきたす可能性があるため、これまでフィールドエンジニアが定期的に伸びやたるみなどを確認していた。
開発中の遠隔監視システムでは、エスカレーター内にセンサーと通信機器を設置。エスカレーターが運行中でも自動で診断を行い、診断結果を同社内にある監視センターに送信することで機器の状態を遠隔で把握することが可能となる。同システムの導入により、品質の維持や適切なタイミングでの機器の調整、交換ができるようになる。
同社は今後も更なる安全、安心、そして快適な移動空間の提供を目指し、社会インフラのライフラインを担う企業として社会に貢献していきたいとしている。