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LIFULL 場所に縛られない働き方を実証開始 企業・自治体46団体が賛同

2020.08.03 16:14

 働き方改革で変化が訪れたワークスタイル。新型コロナウイルスの影響により、更なる変化が起きている。この変化に不動産会社もいち早く対応を進めている。

 LIFULL(東京都千代田区)は、自宅やオフィスなどの場所に縛られないライフスタイルの実現を目的とした「リビングエニウェア」のコンセプトを実践するためのコミュニティ「リビングエニウェア コモンズ」事業を拡大。それに基づくプラットフォーム構想「リビングエニウェア ワーク」を立ち上げる。同社はこの構想に賛同する企業や自治体46団体とともに、場所にとらわれない新しい働き方に関する実証実験や、全国の遊休不動産やオフィスのシェアリング、サテライトオフィスの整備などの活動を展開する。
 急速に普及した在宅ワークはこれまでの自社オフィスの働き方と異なり、通勤時間の有効活用、業務の効率化が可能となった。一方で、対面コミュニケーションで起きていたセレンディピティ(予想外の発見)の減少、在宅ワークによる仕事上の不安や孤独、ストレスの増加など、企業やワーカーにとって新しい課題が生まれている現状がある。これらの課題に対して、今回の構想を実現することで自身のオフィスや自宅以外に、全国各地に働く場所の選択肢が増える。また、一人ひとりの価値観やライフスタイルにあった働く場所を自ら選択できる環境を整えることで、セレンディピティの活性化やウェルビーイング(良好性)の向上に寄与するとしている。
 同社では、今後この構想に参画する有志団体が増えることで、オフィスや拠点シェアによる従業員の利便性や企業間のネットワーク効果が高まり、オフィスの維持やBCP(事業継続計画)対策の費用軽減にもつながるとしている。同社では、2021年に賛同団体を現在の46団体から100団体まで増やすことを目標としている。 プラットフォーム構想「リビングエニウェア ワーク」について、賛同企業のデジタルホールディングス(東京都千代田区)の鉢嶺登社長は次のように述べる。
 「『ワーキングエニウェア』に賛同します。新型コロナウイルスはワークスタイルだけにとどまらず、ライフスタイル、そして価値観にまで大きな変化を及ぼしました。長らく続いた都市化の流れ、戦後悪しき習慣として続いてきた満員電車通勤。『ワーキングエニウェア』はまさに、働く場所を選ばないワークスタイルとしてニューノーマル時代にふさわしいコンセプトです。新しいオフィス、新しい住まい、新しいライフスタイルを今こそ切り拓きましょう」




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