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神戸リビングケアKRK 心停止から命を守る「PUSHプロジェクト」
2013.04.08 16:48
血液を体の隅々まで送り出し、酸素や栄養を運ぶポンプの働きをする心臓。心臓は人が生きている限り絶えず働き続ける臓器であり、突然の心停止によって倒れた人をその場で救うことのできる医療機器として、駅や飛行場、大規模ビル、劇場など公共性の高い施設ではAED(自動体外式除細動器)の設置が一般化している。周囲で心停止を起こした人がいた場合、その場で直ちに心肺蘇生を開始すれば救命率を2~3倍増やすといわれており、また、電気ショックの開始が1分遅れると救命率が10%低下するといわれていることから、有事の際にも冷静かつ迅速な対応が重要であるといえる。
万が一、心停止の現場に居合わせた場合に適切な対応ができるよう、心臓マッサージだけの誰でもできる心肺蘇生の普及を目指し設立された「PUSHプロジェクト」。この組織は京都大学健康科学センターの石見拓委員長をはじめ民間・行政・学識者らからなるメンバーで構成されており、関西を中心に正しい心臓マッサージやAEDの使用法を紹介する講習会などを開催している。
講習会は心臓マッサージとAEDの使用法を実際に体験しながら学ぶことができる教材「CPRトレーニング・ボックス」を用いて行われ、講習用の映像を収録したDVDを参照しながら簡単に学ぶことが可能である。同プロジェクトに参画している神戸リビングケアKRK(神戸市中央区)の山下氏は「多くの方が施設を利用するオフィスビルや商業施設などでは、心停止の現場に遭遇するケースが考えられます。PUSHプロジェクトでは、誰でも簡単に心臓マッサージやAEDの使用法を学べる講習会を通じて、一人でも多くの方の命を救うことを目指しています」と述べている。