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東邦ガス/東邦不動産 工場跡地に新たなまちづくりを目指す

2013.04.01 17:23

 東邦ガス(名古屋市熱田区)および東邦不動産(名古屋市熱田区)は、名古屋市港区に所有する東邦ガスの旧港明工場跡地および旧東邦理化港工場跡地において、新たなまちづくりを行うことを3月26日に発表した。
 約31haの同用地では工場が操業停止してから名古屋市の指導に基づき、土壌汚染の浄化対策工事を実施。平成24年2月に完了以降、活用策について検討し、エネルギー・環境面での先進的な取り組みや地域の活性化と防災に資する開発事業計画をまとめ、3月22日に名古屋市へ環境影響評価方法書を提出。同計画の実施にあたっては、三井不動産(東京都中央区)および三井不動産レジデンシャル(東京都中央区)と共同で開発し、環境調和型社会の実現と地域の発展に寄与することを目的としている。
 同計画はA区域・C区域を第1.期開発(平成27年~30年度供用開始予定)、B区域を第2.期開発(平成33年~34年度供用開始予定)として区域を2分割した段階開発が行われる。A区域では居住ゾーンとして自然と共生しながら、様々な世代が暮らせる中層集合住宅を北側に建設し、南側がにぎわい交流ゾーンとして各方面から多くの人々が集まるショッピングモールなどを配置。C区域はスポーツ・健康ゾーンとして隣接するスポーツランドと連携し、ゴルフ練習場などの各種スポーツ施設を運営する。B区域では北側に中層集合住宅を配置し、南側は特定テーマゾーンとして研究・教育・新産業分野などの業務施設の整備を計画している。
 まちづくりの特徴として、ガスコージェネレーションによる電気・熱供給やエネルギー利用情報などのネットワークを通じて、エリア全体でエネルギーを一括管理する「コミュニティエネルギーマネジメント(CEMS)」を採用している。CEMSを取り入れることで、供給側は需要変動を反映した最適な制御運転などを行えるとともに、需要側では消費量の見える化やピーク抑制などを取り組むことができ、省エネルギー率40%以上、CO2削減率50%以上を目指している。その他にも、エリア内の電気はガスコージェネレーションや太陽光の発電電力、電力会社からの購入電力を併せて、自営線(自社で整備する電線)で各施設に供給。発電電力でピーク需要の約60%を充足しているため、地震などの災害時にも、電気・熱供給や中圧導管からのガス供給により、エリア内のライフライン機能を維持している。更には太陽光発電、太陽熱利用、運河水(熱)利用を積極的に活用し、省エネはもちろん、CO2排出量を低減しているうえ、リサイクルや雨水利用などによる資源循環(3R)も実現。
 なお、大規模地震に備えて耐震設計はもちろんのこと、液状化対策・津波対策を行い、区役所をはじめ、地元行政機関と連携した「地域活動継続計画(DCP)」を導入しており、施設内に一時避難場所の確保や防災物資を備蓄するなど周辺エリアの住民や帰宅困難者の受け入れも可能な計画とし、地域と連携した防災訓練などを実施する予定。また、ビオトープなどの緑地をエリア各所に設けて緑豊かな環境を創出するほか、まちづくり協議会を設置し、植栽活動やフリーマーケットなど地域ぐるみの活動を推進するエリアマネジメントが展開されることとなっている。
 今後は、名古屋市条例に基づく環境影響評価、都市計画・開発許可などの手続きを行い、名古屋市をはじめ、関係機関との調整や地域住民への説明などを実施し、平成26~27年度の第1.期開発工事の着手に向けて準備を進めていく予定だ。 




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