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カネパッケージ 設置無料の「植林自販機」が好調

2013.03.25 14:29

 梱包材や段ボールなどの開発・製造・販売を展開するカネパッケージ(埼玉県入間市)がCSR活動の一環として始めた「空気を綺麗にする夢の自動販売機」の設置事業が話題となっている。
 この自販機は企業内などに設置し、売上を寄付してもらう仕組み。寄付金はフィリピン・セブ島でマングローブの植林に使われる。自販機の設置費用は売上からまかない、基本的に収益のみを寄付するためコストはゼロ。同社認定のカーボンオフセット証明書も発行可能だ。使用する自動販売機も省エネに配慮して節電型を採用しており、本体には売上金が寄付される旨も記載されている。1日30本販売すれば毎月100本のマングローブが植林できるという。同社のこうした取り組みが評価され、今年3月には日刊工業新聞社などが主催する「2012年度『環境力』大賞」を受賞した。
 3月15日には同賞の受賞記念と自販機設置企業の懇親を目的とした交流会が東京都府中市の「ホテルコンチネンタル」で開催され、約80名が集まった。会にはフィリピンの環境天然資源省の担当者や植林地となっているゲタフェイ町の町長も出席して感謝の意を述べ、会場からは大きな拍手が沸きあがった。
 また会の終盤、同社会長の兼平作太郎氏は「当初植林事業には賛成していなかった」と明かしたうえで「皆さんの協力でここまで来られた。今後ともご支援を賜りたい」と挨拶。事業をすすめてきた同社高野常務が涙ぐむ場面も見られた。
 同社のマングローブ植林事業は今年2月現在で260万本、植林面積は81・4ヘクタールに達している。




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