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駐車場コンサルタント 駐車場の「空室活用」を提案 ありそうでなかった「駐車場リーシング」とは
2013.02.18 17:52
自動車離れが加速し多くの駐車場が苦戦
未稼働区画のみ借り受ける機械式駐車場運営会社
貸ビル不況によって空室に悩まされるビルオーナーは多いが、それに加え、ビルに付随する機械式駐車場の稼働率が下落するケースが増えている。それまで入居テナントが営業車両用に複数台分を契約してくれていたが、テナントの退去、さらに営業所の統合などで駐車場のニーズ自体が減少。特に都心部においては公共交通機関が発達しているため、そもそも自動車を所有する必要性がなくなりつつあるのだ。
機械式駐車場は耐用年数が15年(税法上)といわれ、規模にもよるが全面補修に1000万円以上が必要になるという。また、リニューアルといっても劇的にグレードアップするわけでなく、あくまで既存設備の更新のため、他の駐車場との差別化が難しい。東京都駐車場条例では「大規模建築物で集合住宅用途に供する部分の床面積の合計が2000m2を越える物件」に関しては駐車場の附置義務が発生する。今後も駐車場の競合相手は次々に登場することになる。稼働率の低い機械式駐車場はビル経営を圧迫する重荷でしかないのだ。そうした中、昨年9月に設立して以来、独自のサービスを展開する機械式月極駐車場の専門会社「駐車場コンサルタント」(東京都千代田区)が注目されている。
同社のサービスの最大の特徴は、まさに「駐車場の空室活用」だ。通常、機械式駐車場の運営会社にサブリースする場合、施設1棟を丸ごと借り受けるイメージである。しかし、同社の場合は空き車室のみ借り受け、現在稼働中の車室に関してはオーナー側が契約を維持できる仕組みだ。
「次の駐車場利用者様が見つかるまでの期間のみ当社が借り受けて収益を上げることができますし、急遽駐車場が必要になった時、一部・全台分に関わらず、最長3カ月にて必要台数分の車室をお返しします」(駐車場コンサルタント 高橋優介氏)
さらに、同社独自のサービスとして少数台空きの駐車場に対して「駐車場リーシング」が挙げられる。
「オーナー様が直接契約した車室はそのままに、未稼働区画のみ当社がリーシングを行うサービスです。周辺駐車場の直近の成約賃料を調査した上で、適正賃料をご提案いたします。オーナー様がご納得の上でサービスをご利用いただいています」(高橋氏)
リーシングに関しては、従前の直接契約者に新規募集賃料が漏洩しないような手法で募集を行うため、安心とのこと。駐車場の収益向上に一役買ってくれるのでは。