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三鬼商事調べ 都心5区のビル空室率3.07%台に
2020.09.14 12:01
2018年2月以来30カ月ぶりの3%台 賃料上昇は連続80カ月でストップ
三鬼商事(東京都中央区)が、東京都心5区のオフィス空室率データを発表した。今年8月時点の平均空室率は3・07%で、3%台は2018年2月以来30カ月ぶり。
空室面積は1月で2万4000坪増
発表されたデータは東京ビジネス地区(都心5区/千代田・中央・港・新宿・渋谷区)の8月時点の平均空室率と平均賃料。平均空室率は3・07%で前月比0・30ポイントの悪化。三鬼商事では「8月は縮小に伴う解約の影響が出ていたことや、成約の動きが小規模だったこともあり、東京ビジネス地区全体の空室面積はこの1カ月間で約2万4千坪増加し、平均空室率が30カ月ぶりの3%台に上昇した」と分析する。
新築、既存ともに空室率は悪化傾向
同じ調べでは、新築ビルの8月時点の空室率は2・46%で、前月比0・33ポイントの悪化。「8月は新築ビル2棟が募集面積を残して竣工したこともあり、同空室率が上昇した」(三鬼商事)
既存ビルの8月時点の空室率は3・09%で、前月比0・30ポイント悪化している。三鬼商事では「8月は大型解約の動きは少なかったものの、縮小などに伴う中小規模の解約の動きが相次いだため、同空室率が上昇した」と見ている。
賃料上昇ついにストップ 大阪エリアも下げ基調
東京ビジネス地区の8月時点の平均賃料は2万2822円。前年同月比で4・76%(1038円)上げたものの前月比では0・83%(192円)下げ、2014年1月から続いていた賃料の上昇が80カ月ぶりに止まった。
一方、大阪ビジネス地区の8月時点の平均賃料は1万2006円で、前月比0・15%(18円)上げた。平均空室率は2・78%。前月比0・07ポイント上げて4カ月連続の悪化。特に梅田エリアは2019年2月以来の2%台となる2・01%などとなっている。