不動産トピックス
今週の一冊
2020.10.12 13:58
投資対象としての購入は正しいのか?
タワーマンションは大丈夫か?!
編著 齊藤 広子/浅見 司
発行日 2020年4月30日
発行所 プログレス
価格 3500円(税別)
「居住地の誘導を適切に行わないと、東京を含む非常に広いエリアで都市の人口密度が下がり、虫食い状態になってしまう」―人口密度の低下が一人当たりの「行政コスト」を大幅に増加させることに何人が危機感を持っているだろうか。
コンパクトシティ構想は是か否かを論じる段階はとうにすぎ、今はどうタワーマンションの課題を解決するかの時代なのか。
本書は、大学教授、業界アナリストら15名が多面的にタワーマンションを考え執筆しまとめている1冊。タワマンは都市景観を壊すのか?廃墟化するのか?供給過剰か?投資に良いか?暮らしやすいのか?コミュニティ形成は難しい?と各人の課題について論点を掘り下げつくし、最終章の座談会は「タワーマンションは大丈夫か?」と題し、行政の役割や問題事例を挙げて語りつくす。 「洗濯物を外に干せませんよね」「設備が進化していて浴室乾燥機がある」「でもしょせん部屋干しになってしまいますよね」「機械設備で乾かした方が予定時間内に確実に乾く」など、考えうるあらゆる面を徹底的に議論しつくしている。
建物と住民の高齢化、合意形成の難しさなど、タワーマンションの未来像はあまり明るくない。現在深刻な空き家問題はタワーマンションにも無縁ではない。その課題解決は我々にかかっている。