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ドローンで屋根点検 「ヤネラボ」関東全域で展開
2020.10.19 10:50
SPC(茨城県古河市)では今年より足場不要のドローンで屋根点検サービス「ヤネラボ」を展開している。当初、北関東エリアのみで対応してきたが、ニーズの高まりを背景として9月24日よりサービス提供エリアを関東全域に拡大した。
同社は営業代行事業やアクセサリー制作事業などを展開する。そのなかで「ヤネラボ」サービスにあたる屋根測量事業を始めたきっかけについて、代表取締役の井上博貴氏自身も「もともと関心はあって、創業して2年目の頃に一度参入を検討した分野でした。その後ドローンの性能向上やそれに付随するアプリ開発などが進み、足場を組まずに屋根点検ができて、集合住宅のオーナー様にとっても費用負担が軽く済むことなどから、社会的意義が高いと感じて参入することになりました」と話す。
ニーズの伸びは顕著だ。当初は戸建てなどでの調査がほとんどであったが、次第にアセットも広がりを見せた。「アパートやマンションなどの実績も増えたほか、現在では工場などの様々なアセットでご依頼をいただくケースが増えています」と話す。
特にニーズが増すのが台風が頻発する時期。屋根や建物がダメージを受けやすい。同社では点検サービスだけでなく、修繕会社の依頼や火災保険の申請までを弁護士や建築士、協力事業者と一緒にサポートしていく。
「ドローンは法律による規制もありますが、効率的で人手も最小限で済むことから利便性が高いものです。ドローンによる点検が不可能である場所は非常に少ないです。当社はドローンの操縦免許を持ったスペシャリストを社内に抱え、またワンストップのフォローができるよう外部の専門家や事業者とも協力体制を築いています」(井上氏)
今後のエリアの拡張についても前向きで、まずは愛知県になる予定で、その後は政令指定都市を中心に検討していく。また井上氏は「集合住宅のオーナー様へのアプローチとともに、不動産管理会社などとの連携も強化していきたい」と話した。