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起業家が集まる岡山県西栗倉村に新ローカルベンチャー支援施設オープン

2020.11.24 11:13

 西粟倉村は、閉館していた「あわくら民芸館」跡地を活用し、「西粟倉村ローカルベンチャーインキュベーションセンター amoca」を今月4日に開設した。運営は指定管理者として、ローカルベンチャースクールなどを企画運営する、エーゼロ(岡山県英田郡)が担う。
 コンセプトは、「温めた思いを現実に変えていく、さまざまな個性が共存する『森の中の基地』」。豊かな自然を感じながら過ごせる非日常を体現できるロケーションに立地したこの場所で、村内外の若手起業家、企業人、プロボノなど多様な人達が集い混ざり合い、成長を加速させていくことを目指す。
 同センターは貸オフィス棟、コワーキング棟、芝生焚き火広場で構成される複合施設。あらゆるところに交流を促進する仕掛けがある。
 貸オフィス棟は一見入り組んだ建物構造になっているが、どの部屋も真ん中のホールから各部屋が見渡せる配置になっており、お互いの気配を感じる事が出来る。コワーキング棟ではローカルベンチャーに関するイベントも開催可能で、メインスペースにある展示本棚スペースはセンター利用者の「My本棚」としてお気に入りの本を置いたり、自己紹介のペーパーを置くことも出来るようになっている。
 また外にある専用の焚き火台周りでは休憩中に集まって来る人同士で火を囲み話に花を咲かせることも出来たりする。単に仕事をする場所ではなく人と人とが気配を感じ、結びつき、新たな交流が出来る施設になっている。
 西粟倉村は岡山県の北東部に位置する人口約1450人の村。面積の約95%を森林が占める林業の村で、「百年の森林構想」を軸とする林業活性化策や、地域起業支援事業である「ローカルベンチャースクール」など独自の地域活性化施策に積極的に取り組んできた。2006年以降はベンチャーなどにより45の事業が立ち上がり、移住者も増加。今や人口の1割以上が移住者という。
 村では移住者の増加による住宅不足問題もさることながら、ベンチャーが起業した後の活動場所が無いことが問題となっていた。「西粟倉村ローカルベンチャーインキュベーションセンター amoca」の開設により村内の事業者の活動場所を提供するとともに、村外からのさらなる移住者の獲得も目指している。




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