不動産トピックス

クローズアップ 節水編

2012.09.24 11:37

 テナント企業のビル選びの基準として「省エネ」が注目されている。東電の電気代値上げ問題から「節電」が重視されているが「節水」も重要な課題である。特に世界的に水不足が深刻化している現在、生活に直結しないオフィスビルでも節水には気を配りたいもの。今回の特集では、快適性を損なわず、大幅な節水によってコストダウンを実現する「節水対策」を紹介。小さな投資で大きな成果が得られるはずだ。

アースアンドウォーター レンタル契約で初期投資浮揚の水道料金削減サービス
 節水システムの導入提案を進めるアースアンドウォーター(東京都千代田区)。同社は節水サービスの専門メーカーとして、平成23年3月に設立。現在、全国に8つの直営の営業所を展開し、ビルオーナーや建物施設管理者に対して、平成20年度省エネ大賞を受賞した特許製品、節水装置「エコタッチ」の導入による水道料金の削減を提案している。
 従来の代表的な節水方法として挙げられる節水コマであるが、導入してみたものの思ったよりも効果が上がらなかった、あるいは使用感が損なわれた為に失敗したという経験を持つオーナーも多いのではないか。
 「エコタッチ」ではこうした節水コマの問題点を解消するため、制御弁に12個の穴を配置。これにより、吐水量の調整を可能とし、設置箇所も蛇口の先とすることで使用感を損なうことなく、水の勢いを保持しながら水量の削減を可能としている。
 さらにもう一つの特徴となるのが「レンタル節水システム」。これは、レンタル契約(1年契約)とすることで、初期投資や長期のリースを組む必要が無く、「エコタッチ」の設置にかかる費用を水道料金削減分でまかなえるというシステムである。
 「『エコタッチ』を設置する多くの施設ではレンタル費用を差し引いても純利益が上がるほど水道料金削減を実現しています。また、レンタル契約ですので設置費用はゼロとなります。これまで節水コマを導入したけれど効果がなかった方や、節水型の最新トイレや蛇口を設置しているのでこれ以上の節水は無理とお考えの方も多いとは思いますが、『エコタッチ』はあらゆる水道設備への対応を可能としていますので、節水にご興味ある方は是非ご相談ください」(取締役 営業部長 篠原 俊行氏)

ビゲッツ 使用感を損なわず大幅節水が可能
 節水や節電、ゴミ処理等のコスト削減のコンサルティング企業であるビゲッツ(東京都日野市)では、顧客の業態や既存設備に応じた最適なコスト削減計画を提案・実施し、「経費削減」から「省エネ」と「利益」を生み出すサポートを展開。節水対策として、使用感を変えずに大幅なコスト削減を実現する節水システム「プロセービング泡沫ユニット」を展開している。同社の代表取締役を務める金山浩明氏は、同システムの優位性を次のように話す。
 「節水システムは数多く存在しますが、当システムは最も種類が豊富です。一般の水道に設置する標準品だけでも8種類あり、水道の用途によって水圧を変更することで、使用感を変えることなく、最適なコスト管理が可能になります」
 節水対策として東京都水道局等が推奨しているのが、水道の蛇口に取り付ける「節水コマ」だが、蛇口を必要以上に開くと節水の意味をなさない。水道を使用する人間が蛇口をどの程度開くのか計算できないため、効果的な節水ができない。また、同じ水道でも用途によって水の吐出量を調整しないと不便になる。このような従来型の節水システムの弱点を解消したのが同システムだ。特殊な弁を蛇口に取り付けるだけで流水量を調整し、泡沫アダプターの効果で水量を大幅に絞っても水の勢いが落ちることはない。
 「導入までに前年度のデータと比較し、現状の水圧や吐出量の調査を行い、どの程度コスト削減が可能か試算表を作成します。節水効果による経費削減率は最大で水量約50%、平均20%~30%カットが可能です。そのため、1年以内で設備償却できます」(金山氏)
 ある居酒屋では水道料金を年間約230万円、某ホテルでは約66万円のコスト削減に成功したという。通常の水道だけでなく、シャワーやトイレタンクにも使用可能だという。

ソシアス 完全報酬型の節水コンサル
 環境コンサルティング企業のソシアス(東京都中央区)は、完全成果報酬型の「セーブウォーターシステム」を展開している。同システムは削減した水道料金のうち50%を報酬とするため、実質の初期コストが不要となる。節水器具を設置してから約1カ月間の効果検証を行ってから契約となる点も安心だ。
 同システムの導入の流れだが、まずは簡易な無料節水調査を行い、調査報告書を確認してメリットがあると判断した場合はトライアルとして約1カ月間の効果測定を行う。そして実際に削減できた水道料金の詳細データを確認し、削減金額・使用感等に納得したら契約となる。
 同システムで使用される節水装置「JET」は、環境保全に役立つことが認められた製品につけられる環境ラベル「エコマーク」認定を受けた製品。蛇口に取り付け、水中に大量の外気を取り入れることで圧力を高め、吐水の速度を2倍以上にするため、使用感の低下を防ぐことができる。また、同システム導入後も効果検証を行い、削減効果の詳細なデータを提示。3年間のメンテナンスサービスも付き、水漏れの原因となる詰まりやパッキン損傷等の点検を行う等、アフターサービスも万全だ。




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