不動産トピックス
クローズアップ レンタル収納編
2018.11.05 17:34
一時的な空室の有効活用ではなく、長期安定した事業として成長が見込めるレンタル収納スペース。利用者の増加と共に「安くて近く」から「サービスの質」が求められる時代になってきた。
収納ビジネスの拡大と変化 安全性と快適さが利用の決め手
会社や自宅に増えていく荷物の数々。これらを一時的に収納するスペースを貸し出す事業がレンタル収納である。活気を失った店舗ビルやマンションにおいて空室の有効活用の一環でレンタルスペースを設営。施設数の増加によって利用料金がリーズナブルになり、利用者数の裾野が急激に増加した。
いまや収納ビジネスのマーケット市場はビルイン、屋外型コンテナで約620億円、施設数は2016年の時点で約8200カ所にのぼる。その一方で、レンタル収納サービスという存在が広く認知されると共に利用者が求めるニーズもさらに拡大していく。その最たるものが「安全性」と「快適さ」が備わったレンタル倉庫だ。レンタル収納スペース推進協議会の吉田得生専務理事は「以前まで物を置く場所として『安い』ことと、職場や自宅から『近い』ことが求められてきました。しかし最近はどの事業者も料金設定がさほど変わらないことから、セキュリティがしっかりした『安全性』や空調設備が完備された『快適』な施設が好まれるようになってきています」と語る。
また今後の収納業界におけるさらなる発展に向けて、吉田氏が注力すべきと考えているのが「待ちの姿勢からの脱却」だ。例えばポータルサイトから利用者が問い合わせてくるのを待つのではなく、SNSなどを活用し収納に関わるノウハウや情報を消費者に発信して収納ビジネスをより広範に認識させて、必要な時にすぐ活用される存在になることを狙う。さらに「収納ビジネスにおけるサービスの深化」も重要なテーマに掲げる。吉田氏は「すでに一部の事業者では、利用者の荷物の中から要らない物をオークションにかけるなどのサービスを展開しています。基本的に利用者は『すぐ使わない物』を預けており、場合によっては将来『捨てる物』になる可能性もある。そうなる前に利用者にチェックしてもらい、オークションや寄付などで捨てる以外のいい方法を提案するのも収納サービスの新たな発展につながると思います」と話した。
トランク 不動産サイト利用者の荷物預かりサービス
クラウド型収納を活用したシェアリングプラットフォーム事業を運営するトランク(東京都新宿区)と不動産情報総合サイト「ニフティ不動産」を展開するニフティライフスタイル(東京都新宿区)は10月29日より業務提携。11月1日から「ニフティ不動産」利用者にトランクの荷物預かりサービス「TRUNK(トランク)」の特別提供を開始した。これは収納に困っていた物などをダンボールに詰めて発送するだけで預かってもらえるサービス。1箱目の初期費用・月額料金4カ月分は無料となる。
「TRUNK」に預けたものは湿度や温度の管理が徹底された倉庫で保管され、1点ずつ高解像度で撮影後アプリ上でいつでも確認をすることができる。また他の利用者と荷物の内容を共有して、荷物をトランクの倉庫に収納したまま他者へ譲ったり売却することも可能だ。トランクは「宅配収納サービス『TRUNK』のサービス向上に取り組むことで、日本社会でのシェアリングエコノミーのさらなる浸透に貢献し、消費者にとってより便利で快適なライフスタイルを提供してまいります」と話す。
エリアリンク 安心・安全に利用できるトランクルーム
エリアリンク(東京都千代田区)は、10月17日にトランクルーム専用に設計された究極の新築物件のブランド「トランクハウス24」の一号店「ハローストレージ トランクハウス24世田谷砧」をグランドオープンしたと発表した。
同施設は、環状8号線の三本杉陸橋交差点近くの世田谷通り沿いに位置する。契約者は専用駐車場を自由に利用できるため、車による搬入出にとても便利な立地となっている。エレベーターも完備されており、荷台も常設されているため重たい荷物でも簡単に運び入れることが可能である。
さらに空調設備と24時間セキュリティが完備されていることにより、大切な物でも安心して収納できる。趣味に利用する道具を収納したり、また書庫としても活用できるなど、幅広い用途として活用できる物件となっている。