週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

「ESR東扇島ディストリビューションセンター」2023年3月竣工に向け開発開始

2020.12.14 11:04

地上9階、延床36万㎡のマルチテナント型物流施設
 ESR(東京都港区)は8日、川崎市川崎区に敷地面積7万7725㎡、延床面積36万5385㎡のマルチテナント型物流施設「ESR 東扇島ディストリビューションセンター(第1期)」を開発すると発表した。同施設はESRの施設の中でも最大級の延床面積となり、9階建ては物流施設として日本最高層クラス。総投資額は約830億円で、2021年3月着工、2023年3月竣工を予定している。
 同施設の開発予定地は京浜工業地帯・臨海部に位置し、首都高速湾岸線「東扇島」ICから約1kmと東京都心や首都圏の広域交通網のアクセスに優れている。川崎港に隣接し、横浜港まで15km、羽田空港まで10km。陸海空の輸送インフラが整備され利便性も高い。2021年度には羽田連絡道路、2023年には川崎港臨港道路東扇島水江町線が開通予定で、アクセスがさらに向上する。
 物流運営の効率性を重視した設計を計画しており、上り・下り専用のランプウェイと、ランプウェイを結ぶ中央車路・バース式によって各階にワンウェイでアクセスでき、45フィートコンテナトレーラーも各階トラックバースに乗り入れ可能な仕様となる。倉庫部分は各階最大6テナント、計48テナントへの分割が可能。最小賃貸区画は約4884㎡、柱スパンは間口11m×奥行き11・25mと使い勝手を考えたワイドスパンを実現し、倉庫の有効面積を広く活用することができる。1階は冷蔵冷凍誘致を見据え、有効高6・5m、床荷重2t/㎡とし、2~8階は有効高5・5m、床荷重1・5t/㎡を予定。特別高圧電力の供給ができるため、冷蔵冷凍、ロボティクスなどの多様なニーズにも応えられる。
 また、再生可能エネルギーを積極的に活用。トイレ、喫煙室、共用部には人感センサーを設置し、使用しない時は消灯する環境配慮型の照明システムを導入し、屋上には5MW規模の自家消費型太陽光発電システムの設置を予定している。BCP対策としては、非常用自家発電設備を設置。停電時でも一定時間、防災センター、バース・事務所の照明、トイレ等が使用可能となる。
 さらに、施設内には子育て世代をサポートする託児所を設け、9階には屋上駐車場とラウンジ、ショップ、東京湾を眺めるダイニングルームなどを計画。ワーカーがリラックスできるコミュニティ空間も充実させる。同施設とJR「川崎」駅を結ぶ送迎バスも運行予定で、稼働後には4000人以上の雇用創出が見込まれ、地域経済にも寄与したい考えだ。




週刊不動産経営編集部  YouTube