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黄金町エリアマネジメントセンター アートの街が学校に

2012.05.14 17:50

 アートの街として生まれ変わりつつある横浜市・黄金町エリアで、街の活性化へ向けた新たな活動「黄金町芸術学校」が今月から始まる。活動の中心となるのはエリア内の空き店舗を若手アーティストやデザイナーなどに貸し出す事業を行っているNPO法人、黄金町エリアマネジメントセンター。誰でも受講できる「学校」で、新たな活性化のヒントも生まれそうだ。
 同センターでは「黄金町芸術学校」を「コミュニティ学校」と位置づけ、地域や年齢、活動分野などが異なる人々に、アートを通して多様な個性を伸ばしてもらうことを目的としている。コース設定は、展覧会の企画や開催、アーティストについての知識などを学ぶ「キュレーターコース」、水彩画や写真撮影などを基礎から学ぶ「実技コース」、アートプロジェクトのつくりかたをはじめアートに関する様々な講座が開講される「レクチャーシリーズ」の3コース。受講は1回から可能で、他の講義と組み合わせたり、興味のある回だけ受講することもできる。黄金町を拠点にしている講師もおり、アーティストやクリエーターに活躍の場を提供するという側面ももっている。
 かつての黄金町は違法風俗店がひしめく街として知られ、その数は250軒にもなったという。同センターは違法風俗店の一斉取り締まりによって生まれた空き店舗の活用を目的に設立されたもので、アート拠点として活用されている物件は数を増している。同センター事務局長の山野真悟氏は「活性化のためには、街に来ていただくことも大切です。今後はコースを増やし、いずれは街づくりや地域の歴史、実際の建物を教材にするリノベーション講座なども検討していきたいと思います」と話す。街は教室にも、教科書にも、そして実践の場にもなり得るということを感じさせる取り組みだ。




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