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不動産業界最新ニュース
2012.04.09 10:38
ヒューリック ウェアハウジングを活用し物件譲渡
ヒューリック(東京都中央区)は、今年1月に取得した「IIF三鷹カードセンター」について、産業ファンド投資法人(東京都千代田区)に譲渡したことを発表した。
「IIF三鷹カードセンター」は、東京都三鷹市下連雀7ー444ー2他に立地する物件。建物面積が2万1615・01㎡、敷地面積が9693・81㎡となり、鉄骨鉄筋コンクリート造、地上4階地下1階の規模となる。今回の投資案件では、投資法人が取得する前に、スポンサー企業が直接取得もしくはスポンサー企業が設立したSPCが物件を取得するウェアハウジングが活用されている。譲渡日は当初の予定通り平成24年4月2日に行われ、ヒューリックは今後も同様なウェアハウスビジネスを視野に入れ投資機会を検討する予定とのこと。
小杉造園 世界に認められた造園技術が物件の価値向上に貢献
造園土木・植栽工事に関するコンサルティング・設計・施工などを行う小杉造園(東京都世田谷区)では、長年にわたり培った庭園・緑地の維持管理のノウハウを生かし、海外に日本庭園の文化を伝える活動を積極的に行っている。
「日本では相続の際に不動産を手放すケースが増え、趣のある日本庭園が徐々に姿を消しつつあります。そこで日本の庭文化を海外の方々に伝えようと、当社の研修施設を利用して海外の方々のための講習会や交流会を行っています」(小杉造園 代表取締役 小杉 左岐氏)
小杉氏によれば、海外では庭園の維持管理に関するノウハウが不十分で、繊細な維持管理が求められる日本庭園を創り上げるためには、生活や文化の違いを考慮し、管理しやすいデザインを行うことが重要だという。また、日本庭園を造るためには一定の土地を必要とするイメージがあるが、ビルやマンションの屋上やエントランスなどのわずかなスペースでも施工が可能であると小杉氏は話す。
「庭園を設けることは、その建物の印象の向上に貢献します。当社は第39回技能五輪国際大会の造園部門で金メダルを獲得し、その技術が世界にも認められました。日本古来の庭文化を所有物件に取り入れてみてはいかがでしょうか」(小杉氏)
三井不動産 中之島で進む開発事業が着工
三井不動産グループは大阪北区中之島3丁目において「(仮称)三井ガーデンホテル大阪中之島」を着工したことを発表。開業は平成26年春頃を予定している。
今回着工した「(仮称)三井不動産ガーデンホテル大阪中之島」は地下鉄四つ橋線「肥後橋」駅より徒歩5分、京阪電鉄中之島線「渡辺橋」駅徒歩3分であり、国立国際美術館、建設中であるフェスティバルホール等が至近な中之島の中央部に立地しているという優れたロケーションが特徴。またシングル平均22㎡超、ツインは30㎡前後とシティホテルクラスのゆとりあるプラン。グループ利用のニーズに応える水まわり3点の分離、フローリング仕上げを全室で実現している点も特徴となっている。
三井ガーデンホテルチェーンは現在、全国で16施設4258室を運営しており、「(仮称)三井ガーデンホテル柏の葉」、平成29年春には「(仮称)三井ガーデンホテル名古屋」の開業も予定している。
プロロジス 大阪と名古屋の物流施設合計約2万8200㎡の賃貸契約締結
プロロジス(東京都千代田区)は、現在運営中の物流施設「プロロジスパーク大阪1」と「プロロジスパーク北名古屋」において2社と合わせて約2万8200㎥を賃貸契約したと発表した。
大阪市住之江区に運営中の「プロロジスパーク大阪1」においては、大手3PL会社と約1万8900㎥を賃貸契約。愛知県北名古屋市に運営中の「プロロジスパーク北名古屋」においては、大手3PL会社と9300㎥を新規賃貸契約している。今回の賃貸契約成立により、両物件ともに稼働率が100%となった。
オリックス不動産 紀尾井町ビル/紀尾井町ガーデンタワーの区分所有権を取得
オリックス不動産(東京都港区)は、不動産を含むオルタナティブ投資専門の投資顧問運用会社である「Angelo,Gordon&Co.,L.P.」の運用するファンドを共同投資家として招き、「紀尾井町ビル/紀尾井町ガーデンタワー」の区分所有権の一部を共同で取得するアレンジメントを行った。オリックスグループとして「Angelo,Gordon」の運用するファンドとの取り組みは初めてとなる。
同物件は、オフィスを主用途とする超高層複合ビル。地下鉄4駅利用可能な交通利便性と高い物件スペックから、安定的で高い運用収益が期待できる物件であり、オリックス不動産投資顧問(東京都港区)をアセットマネージャーに任命して、運用を開始している。
森ビル 施設名称を「アークヒルズ仙石山森タワー」に決定
森ビル(東京都港区)が参加組合員として参画する虎ノ門・六本木地区市街地再開発組合は、港区虎ノ門5丁目・六本木1丁目にて建設を進めている「虎ノ門・六本木地区第一種市街地再開発事業」の施設名称を「アークヒルズ 仙石山森タワー」に決定したことを発表した。
同事業は、施行区域約2・0ha、地上47階の超高層の複合棟(3~24階・住宅、25~47階・事務所)を中心に、敷地南側には地上8階の住宅棟を配置、また、建物の周囲には生物多様性に配慮した緑あふれる空間を整備している。同事業の名称に冠した「アークヒルズ」は、オフィス、住宅、ホテル、コンサートホールなどからなる、民間による日本初の大規模再開発事業であり、「職住近接」「都市と自然の共生」「文化発信」を具現化した「ヒルズ」の原点となる。
今年8月に竣工を迎える「アークヒルズ 仙石山森タワー」は、近接するアークヒルズが育んできた環境を十二分に享受するとともに、アークヒルズの拡充を図りながら、同エリアのさらなる発展に向けた起爆剤としての役割を担う。同社は今後さらに周辺エリアにおいて、21・25森ビル建替計画、環状2号線プロジェクトなど新規プロジェクトの推進とともに、周辺施設や地域、企業などとの連携や新たな仕掛けによるエリアマネジメント展開も進め、同社が理想とする「ヴァーティカル・ガーデンシティ(立体的な緑園都市)」の具現化により、アジアのヘッドクォーターを目指す東京の真の国際都市形成に向けて、同エリアのさらなる発展に貢献するとしている。
知的照明システム推進協議会 オフィスビルを照明のあり方を問うセミナーイベント開催
知的照明システム推進協議会は5日、東京都千代田区の学士会館において、同協議会の設立記念セミナーおよび設立記念パーティを開催した。
記念セミナーの冒頭には、同協議会の会長に就任した同志社大学教授、知的オフィスコンソーシアム会長である三木光範氏が主催者挨拶を行った。基調講演には松岡総合研究所の代表取締役であり、名古屋大学特任准教授である松岡利昌氏が「オフィスビルへのイノベーションを考える」をテーマに講演を行った。また、セミナー後半には「ビジネスの頭脳化を支えるオフィスビルのあるべき姿」と題したパネルディスカッションを開催。パネリストには、日本ビルヂング協会連合会常務理事の岡本圭司氏、東京建物常務取締役の碓氷辰男氏、三菱地所執行役員経営企画部部長の谷澤淳一氏、森ビルマーケティング室部長の松本栄二氏が登壇。前半に各パネリストがプレゼンテーションを行い、後半からディスカッションを行った。パネルディスカッションの締め括りとして同協議会会長の三木氏が今後のオフィス環境のあり方について、「生物の進化をヒントにこれまで進化的最適化を進めてきましたが、そこで重要なキーワードとなるのが突然変異と交差です。特に突然変異については日本企業も企業内における突然変異率をいかに設定していくかということが企業の進化という点においては重要となり、突然変率を高めることでオフィス環境においても楽しみと発見が生まれます。ですから、今後はオフィス環境はもちろん、自分と異なる判断をライフスタイルにおいても取り入れていくということが必要不可欠となるのではないでしょうか」と述べた。