不動産トピックス
クローズアップ トイレバリューアップ編
2012.01.23 15:47
女性オフィスワーカーが増加している昨今、オフィスビルのトイレ環境で入居を決めるテナントが増えている。事務所に常駐する総務・経理担当者に女性が多いこともあり、トイレの快適性が重視されている。そこで、今回は女性目線に立って、トイレの環境改善や使いやすさに貢献する製品を紹介する。
東京メディコム 点灯すると汚れた空気を自動で清浄に
タバコの煙が充満する密閉空間で電球を点灯するだけで、電球の周りの空気が対流し始め、ものの1、2分で煙は完全に消えうせてしまった。この点灯するだけで消臭・抗菌効果を発揮するLED照明「空気清浄イオンライト」を販売しているのは、電子カルテシステムをはじめ、医療関連機器・環境機器を多数取り扱う東京メディコム(東京都江戸川区)。環境衛生の維持に役立つため、医療施設だけでなく、オフィスビルのトイレ等にも導入が進んでいるという。
同製品の最大の特長は、照明を点灯したと同時にマイナスイオンが発散。空気中に漂う悪臭にマイナスイオンが吸着し、そのまま分解する仕組みだという。
同社代表取締役を務める常永氏が「ライト台座部分に排出口があり、点灯中は常にマイナスイオンを排出しています。悪臭だけでなく、タバコの煙、ハウスダスト、花粉もたちまち除去します」と話す。さらに、同製品はLEDを使用しているため、通常の白熱電球に比べて電力使用量は5分の1、寿命も約8倍あり、常時点灯させてもコスト面も安心だという。
「昼光色と電球色の2種類を用意しており、架台を交換する必要もありません。また、当製品1つ導入すれば、畳6畳分まで効果を発揮するので、トイレの消臭対策として好評を得ています」(同氏)
ダイケン トイレの利便性が高まるプライベート小物入れ
テナントが選ぶオフィス移転のポイントのひとつに、トイレの管理状態が挙げられる。清潔感溢れるトイレは当たり前で、付加価値をいかに追加できるかがテナント誘致の大きな鍵となる。そんな中、特にオフィスで働く女性社員に人気のトイレ設備のひとつに専用小物入れがある。
建物金物部品全般を製造するダイケン(大阪市淀川区)では、水周り付近に設置しても錆びにくく耐久性のあるステンレス製「パーソナルボックスPLB100/PLB240」を展開。女性特有の化粧品等のプライベートな私物保管に適している。
「プライベート性を確保するため、各収納ボックスには鍵が備わっており、『静音ダイヤル錠』『静音ラッチ錠』『シリンダー錠』の3種類を用意しています。ダイヤルを回した時に音がせず、数字が大きく表示され、非常に使いやすい仕様になっています」(同社東京支店 支店長 黒沢一博氏)
同製品を施工する際、通常は壁に埋め込むため、既存トイレには導入しにくい。また、オフィスビルでは、入居テナントによって女性社員の数が大きく異なるため、収納ボックスの数を設定するのが難しい。そうした問題点を解消すべく、同社では壁面固定型のユニットタイプを用意。収納ボックスの必要数に応じて設定を自由に変更できる。
ルノン 悪臭の元を半永久的に吸着・分解する壁紙
壁紙をはじめとするインテリア製品の販売メーカーであるルノン(東京都品川区)は、光も電気も使わず、空気触媒によって悪臭原因物質を半永久的に吸着・分解する画期的な壁紙「空気を洗う壁紙」を展開。同社企画本部部長を務める丸山誠一氏は、同製品の特長をこう話す。
「当製品は、通常のビニール壁紙に『トリプルフレッシュ』と呼ばれる消臭剤を塗布しており、消臭剤が臭いの原因物質を水とCO2に分解することで消臭します。これまでも消臭対応の壁紙はありましたが、臭いを吸着するだけなので、いずれ飽和状態になり、効果が持続しません。当製品は次に壁紙を張替えるまでは機能が持続します」
同製品はトイレの臭いやタバコの臭いだけでなく、シックハウスの原因でもあるホムデアルデヒドまで分解する。一方で、芳香剤など、いわゆる「いい匂い」の元は分解しないので、あらゆる場面で重宝できる。
「タバコのヤニが表面に付着した場合は、多少効果が弱まりますが、拭き取れば効果が回復します。臭気対策として空気清浄機や芳香剤が不要となるため、ランニングコストが削減できます。また、通常の壁紙と同程度の価格です」(丸山氏)
壁紙であるため、デザイン性も重要だが、昨年(平成23年)にグッドデザイン賞を獲得した「クラフトライン」シリーズをはじめ、シリーズ全体で500種類を用意している。
「トイレに導入する際は、水周りの色と合わせて清潔感溢れるデザインを選択されるケースが多いです」(丸山氏)