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JR東日本 新幹線車内でのリモートワークを実証へ 時速300kmの移動オフィス
2020.12.28 14:12
東日本旅客鉄道(東京都渋谷区、JR東日本)は22日、走行中の新幹線内でのリモートワークに関する実証実験を開始すると発表した。
同社ではグループ経営ビジョン「変革2027」のもと、輸送サービスにおける新たな付加価値の提供を目指している。こうしたなか昨今のリモートワークの広がりを見据え、ウェブ会議を新幹線の座席でも行える車両を設定し、利用動向や新幹線車内におけるリモートワークの課題や要望を調査する実証実験を実施する。この実証実験を通じて、快適に仕事ができる新幹線オフィスの検討を進める考えだ。
実験では、ウェブ会議にも対応できるよう、運行中でも通話が可能な「リモートワーク推奨車両」を新幹線に1両設定する。利用のための追加料金は不要で、対象列車の乗車券と新幹線特急券があれば利用できる。「リモートワーク推奨車両」には座席指定を設けず、満席の場合は空席待ちとなる。また利用者がアンケートに協力すると、同社が運営するシェアオフィス「STATION BOOTH」の無料チケットをプレゼントする。
実施期間は2021年2月1~12日、および2月15~26日で、両期間とも土日、祝日は実施しない。それぞれの期間で、上り・下りともに数本の対象列車が設定される予定。また各企業と連携して個別の通信ルーターの貸出なども行う。
同社では、実験で得られる顧客動向や課題を検証し、新幹線におけるより快適なリモートワーク環境の構築を目指す。さらに、リモートワーク環境だけにとどまらない様々な付加価値の提供も視野に入れ、次世代サービスの開発につなげたいとしている。