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大林組 免震建物用ケーブルラック「ニュートラダー」を開発
2021.01.06 13:26
大林組(東京都港区)は、地震時の揺れに追従して可動することで、電気や通信ケーブルの損傷リスクを軽減できる免震建物用ケーブルラック「ニュートラダー」を開発した。免震建物に対応するケーブルラックは業界初の製品となる。
免震建物では建物と基礎の間に設ける免震層に電気・通信などのインフラケーブルが配線される。免震建物は地震時に大きくゆっくりと動く構造であり、インフラケーブルが揺れに追従して動くためには、ケーブルが切断されないよう余長を持たせておく必要がある。しかし、放送局やデータセンターといった建物では、多量のケーブルが配線されることがあり、地震時には余長部分が大きく動くことにより、重なり合ったケーブルの自重による摩擦や、よれ、絡みが生じることで損傷するリスクがあった。また、多量かつ余長を持たせたケーブルを免震層に這わせておくためには大きなスペースが必要だった。
今回開発したニュートラダーは、ラック同士をピン接合することで、地震時の揺れに追従して可動する免震建物用ケーブルラック。ケーブルをラック上に載せることで、地震時にはラックに支持された状態でケーブルも動くため、損傷、切断リスクを軽減することができ、メンテナンスも容易になる。また、ケーブルの揺れ幅も小さくなることから余長を持たせる必要がなくなり、ケーブル長を最適化して省スペースで配線が可能となっている。